FIM EWC 2019-2020シーズンは第1戦ボルドール24時間耐久から約3か月、第2戦セパン8時間耐久レースがマレーシア・セパンサーキットで12/14に決勝レースが行われます。
今シーズンより新たに加わったセパンインターナショナルサーキットはMoto-GPのレースやオフシーズンのテストで使用されるおなじみのサーキット。
我々ブリヂストンも過去にはテストやレースの為に年に何度も訪れ、このコースはよく知っていますが、2016年に全面舗装改修が行われ、以前の路面から変わっています。
全日本に参戦するいくつかのチームもオフシーズンにセパンでテストを行っており、我々もこの新路面での走行を経験済みです。
また今大会は4輪レースFIA 世界ツーリングカーカップ(WTCR)が併催となっており、路面状況の変化が予想されます。12/11(水)からEWCのフリー走行が開始されますが、その前にセパン8時間耐久に向けてのプレビューレポートをお届けします。

Sepang International Circuit(セパンインターナショナルサーキット)について

クアラルンプール国際空港のすぐ東に位置し、コース全長5,543mのサーキットです。コース前半はアップダウンがありますが、コース後半は比較的フラットで高低差が少ないアップダウンがある程度で高速コーナーからハードなブレーキング~タイトコーナーとコーナーのバリエーション豊富なデザイン。1999年から世界グランプリが開催されています。
赤道直下に位置する為、高温多湿な環境はライダーに厳しくなることが予想されますが、鈴鹿8耐の暑い状況と大きな差は無いと思います。また午後~夕刻にはスコールが訪れる可能性があり、今大会でも天候に関しては予想がつかないと思いますのでタイヤ戦略も難しくなることが考えられます。

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2020年鈴鹿8耐への参戦権

このセパン8時間は今シーズン最終戦、鈴鹿8耐への参戦権獲得となるトライアウトとなっていて、日本からの遠征チームには鈴鹿8耐参戦権獲得を目指すチームが参戦しています。
12/4時点での暫定エントリーリストでは日本からの遠征は10チームが参戦する予定です。

ブリヂストンサポートチーム

我々ブリヂストンは年間通してEWCにフル参戦している#5 F.C.C. TSR Honda Franceと#7 YART YAMAHAをサポート。前戦のボルドール24時間では両チームリタイヤとなってしまった為、チャンピオン獲得に向けて絶対に獲りたいレースとなります。
さらに今大会ではこの2チームに加え全日本ロードレース選手権及び鈴鹿8耐に参戦している#10 RS ITOH(will-raise racing RS-ITOH)、#17 TEAM SUGAI RACING JAPAN、#88 HONDA ASIA DREAM RACING WITH SHOWA、その他7チームの日本チームが参戦。
そして今大会の注目チームである#21 YAMAHA SEPANG RACING。セパンサーキットが運営するこのチームはMoto-GPとWSBKライダーを招集、ホームコースでの優勝を目指してブリヂストンタイヤを使用し参戦します。

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セパン8時間耐久レース タイムスケジュール

今大会のスケジュール(EWCのみ)は以下となっています。

12/11(水)
 09:00 - 16:00:有料フリー走行
 16:30 - 18:30:公式フリー走行
 19:30 - 21:00:夜間フリー走行
12/12(木)
 09:30 - 09:50:予選1回目 青腕章ライダー
 10:00 - 10:20:予選1回目 黄腕章ライダー
 10:30 - 10:50:予選1回目 赤腕章ライダー
 14:30 - 14:50:予選2回目 青腕章ライダー
 15:00 - 15:20:予選2回目 黄腕章ライダー
 15:30 - 15:50:予選2回目 赤腕章ライダー
 18:00 - 18:45:フリー走行
 19:15 -   :TOP10トライアル
12/13(金)
終日4輪走行
12/14(土)
 09:00 - 09:40:ウォームアップ走行
 13:00 - 21:00:セパン8時間耐久レース決勝

セパン8時間耐久レース展望

今回のレースはEWC初開催のレース。参戦しているライダーの多くは走ったことが無い未知のサーキットとなります。また一部のライダーはMotoGPやWSBK、アジア選手権で走行経験がありますが、耐久レースの長丁場は経験が無いので暑さから来るライダーへの負担は大きくなる事が予想されます。
また今大会はヨーロッパからも多くのEWCレギュラーチームが参戦しており、耐久レーストップチームが初開催のセパンでどのようなレースを展開するのか予想したいと思います。

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今回のセパン8時間耐久は13:00からスタートとなっており、最も気温が高い時間帯でのスタートします。24時間耐久と違い8時間耐久では鈴鹿8耐で見られるように、スタート直後からハイペースで走行することが多いので、序盤からトップ勢の激しい争いが見られると思います。鈴鹿では日本のトップチームが上位を占めますが、セパンでは状況が違うことから、どのチームがトップ争いに加わるかは予想がつきません。
また鈴鹿では多くのチームが7回ピット作業8スティント(走行)ですが、セパンサーキットではマシンへの負担が鈴鹿と違う可能性もあり、8回ピット作業9スティントも考えられるかもしれません。
そしてさらに難しいのは天候。セパンサーキット近郊の天気予報は連日雷雨予報となっており、ほとんどあてにならない予報となっています。スコールが来るタイミングとWetタイヤでの走行状況次第では順位が大きく変動するかもしれません。

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気温は昼間の最高気温が31~32℃、最低気温は24℃ほどの予報となっています。24時間レースと比べると昼間夜間の気温差は少ないので、レース中の使用スペック選択判断はあまり迷わないのではないでしょうか。
シーズンにフル参戦しチャンピオン獲得を目指すF.C.C. TSR Honda FranceとYART YAMAHAは当然勝利を目指しているでしょう。
ブリヂストンエンジニアもフリー走行からチームと共にタイヤ選択を行い、レースで最適なスペックでマシンセッティングを進め、ライバルに対し優位なレース展開が出来るように作業を進めていく事と思います。


ブリヂストンモータースポーツHPでは現地からの速報を水曜日の走行からお届けします。
セッション毎に速報をアップしていく予定ですので楽しみにしていて下さい。

また今回のセパン8時間耐久レースは日テレジータスで放送が予定されており、有料動画サイトHuluでもご覧になれます。