鈴鹿8耐の主舞台で戦うライダー達。一方ピットやパドックではメカニック/スタッフ達がライダーに負けないくらい必死に戦っている。そんな裏でチームを支えるメカニック達に焦点を当て、彼らの思いを聞くインタビューシリーズ
前編ではYoshimura SERT Motulの新人タイヤマン・平能(ひらの)さんが8耐に参加するまでの経緯を紹介しました。後編ではどんな思いで8耐に臨んでいるのか、メカニック達の内面をご紹介します。

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【Yoshimura SERT Motul 平能】

質問:初めての8耐はどんな印象ですか?
平能:正直、最初はワクワクが強かったのですが、日を追うごとにタイヤマンとしての責任を果たすことへのプレッシャーが強くなり、本番で自分が一つのミスもなくこなせるのか不安と緊張でいっぱいです。去年のワールドチャンピオンチームにいわば普通の人が入っているようなものなので。

質問:メカニックの視点で、8耐において一番大事なことは何ですか?
平能:僕たちメカニックがやっていることは、誰でも出来る仕事をしています。一つ一つの作業は時間をかければ誰にでも出来ますが、それをいかに早くいかに正確に続けられるかがメカニックと一般整備士の差になります。チームの先輩方からよく言われることは【一つの仕事をきっちり終わらせること】。一つの仕事を素早くきっちりと終わらせる、それを積み上げることが一番大事なことです。

質問:なぜ8耐をやるのか?
平能:レースはまさに成長の場。一つ一つの作業を素早く正確にこなし、気が遠くなるような積み重ねによってレースとなります。その中でヨシムラは【小さな失敗を多く経験】させてくれる風土があります。練習と失敗を繰り返し、その中で自らミスを経験しそれを糧に次に活かすことで精度を高めていくことが出来る。多く失敗することが成功への近道なのかもしれません。

質問:Yoshimura SERT Motulはどんなチームですか?
平能:厳しさもあるが常に成長させてくれるこだわりの詰まった場所であり、レースを離れるとみんな優しい方ばかりで家族のような存在。ライダー同士も非常に仲が良く、厳しい中にも笑顔があふれています。

質問:最後に今年の8耐に向けた意気込みを教えて下さい。
平能:鈴鹿という日本の大舞台での優勝は特別な意味があるので、やはり優勝出来るよう頑張ります。皆さんYoshimura SERT Motulの応援をよろしくお願いします!
そして8耐に関わる全てのメカニック/スタッフの方々をぜひ応援してあげて下さい!

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表舞台になかなか出る機会のないメカニック達の思いを知り、改めて鈴鹿8耐が1人で戦っているのではなく"チーム"で戦っているということを教わった。そして何としてもライダーを勝たせたいという強い思いと地道な日々の努力こそが、それぞれのチームに優勝のチャンスを与えるのだと知ることが出来た。

0.01秒はライダーだけでなくメカニックにとっても同じ時間差となる。メカニックは自らの技量を磨き、精度を上げることでチームに貢献している。ライダーを助ける為にピット裏で全メカニックが戦っているのだ。イチローの名言に「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」という言葉がある。フィールドは違えど、まさにこの言葉を愚直に体現し脈々を受けついできた。だからこそヨシムラは強い。

今年の8耐はコース上のライダーだけでなく、ピットにいるそんなメカニック達にも注目して観てもらいたい。


彼らがいるこそ8耐は盛り上がるのだから

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【鈴鹿8耐/EWC】メカニック フォトギャラリー (鈴鹿8耐 合同テスト) | EWC/鈴鹿8時間耐久ロードレース | ブリヂストンモータースポーツ (bridgestone.co.jp)