F1を始めとするモータースポーツの中で、そのキャリアをレーシングカートからスタートさせたというドライバーは多く、ルイス・ハミルトン選手やセバスチャン・ベッテル選手など、現F1ドライバーの多くがレーシングカートを経験している。このように多くのレーシングドライバーが少年時代から、つまりモータースポーツのキャリアをレーシングカートから始めていることからわかるように、カートレースはモータースポーツのエントリーカテゴリーである。

カートの構造はシンプルで、パイプフレームにエンジン、シート、そしてタイヤを取り付けただけだ。操作も至って単純で、ステアリングを手で、アクセルを右足で、ブレーキを左足でコントロールするだけ。そんなシンプルなレーシングカートであるが、ブリヂストンが参戦する全日本選手権や世界選手権の車両ともなると、ストレートスピードで時速150kmを越えるようなパフォーマンスを発揮し、シンプルなマシンの中にモータースポーツのすべてが凝縮されているといっても過言ではないのがこのレーシングカートである。

日本で開催されるカートレースのシリーズ戦で、もっとも上位に位置するのが『全日本カート選手権』である。これは、日本でもっとも速く強いカートドライバーを決定するシリーズ戦であり、国際カートレースやフォーミュラなどの自動車レースに直結する国内カートレースの最高峰である。2019年の『全日本カート選手権』では、レベル・実績別に『OK』『FS-125』「FP-3」の3クラス(部門)のシリーズ戦が実施される。この中でも最高峰に位置するのがOKクラスである。2019_jk_1.jpg他のクラスはエンジン、タイヤがワンメイクで指定されているのに対して、OKクラスの特徴はシャシー、エンジン、タイヤを規則に則っているものであればその中から選択できるという事である。特にタイヤについては、SUPER GTと同じように、メーカーもコンパウンドも自由。ブリヂストンを含めた3タイヤメーカーがこの選手権に参入し、ひとつの大会だけのために特別開発された高性能なスペシャルタイヤ(市販されていないタイヤ)をレースに投入しており、いわゆるタイヤ開発競争が繰り広げられている。

もちろんレースばかりではなく、趣味として気軽にモータースポーツに触れることができるのもレーシングカートの大きな魅力。レンタルカートを用意しているコースなども多く、子供から大人までが楽しめる。

ブリヂストンと全日本カート選手権

ブリヂストンのレーシングカートの歴史は、1976年にまで遡ることができる。その年、日本に初めて世界最高峰のフォーミュラ、F1がやってくる。そのレースに日本人ドライバーとともにスポット参戦したブリヂストンは、モータースポーツの裾野からレースに取り組むことの重要性を理解する。

そこでブリヂストンは、初めてF1に参戦したときのタイヤに使用したコンパウンドを使い、そして同じ断面形状を持つ、レーシングカート専用タイヤを開発する。当時もレーシングカートという競技はあったが、そこで使われていたタイヤはいわゆる遊園地のゴーカートに使われているものと大きな違いはなかったのだ。

ブリヂストンが開発したレーシングカート専用タイヤは、世界のカート界において、タイヤの考え方を大きく変えた。そのタイヤは日本のみならず、世界中のカーターから支持され、次第にそのシェアを拡大していくのである。

2019年シーズンの見どころ

国内カートレースの最高峰である全日本カート選手権。

この全日本カート選手権におけるトップカテゴリーは、2016年まで「KFクラス」で争われてきたが、2017シーズンからは国際カート委員会(CIK-FIA)の現行カテゴリーに合わせ、「OKクラス」に移行した。

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全日本カート選手権OKクラスは、ブリヂストンを含めた3社のタイヤメーカーがタイヤ競争を繰り広げており、3社ともレース毎にスペシャルタイヤを投入する。昨年は惜しくも他社品使用選手に全日本トップカテゴリー王者の座を奪われたが、ブリヂストンは王者奪回を至上命題として今年も全力でOKクラスに挑む。

レーシングカートを観戦することの楽しさの一つには、「未来のトップドライバー」を探し出すことがある。前述のように、現在のトップレーシングドライバーの多くはレーシングカートを経験している。逆にいえば、いまレーシングカートを戦っているカーターの中に、将来のスーパースターがいるかもしれないというわけだ。未来のF1王者を探しに、レーシングカートを観戦してみてはいかがだろうか。