山本尚貴/ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT/BS)が初勝利。表彰台をブリヂストン装着車が独占
- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2018年09月15日(土) 〜 2018年09月16日(日)
宮城県のスポーツランドSUGOで開催された2018年オートバックスSUPER GTシリーズ第6戦は、秋雨前戦の影響が心配されたが、決勝日は時折日差しが射すドライコンディションとなり、28,500人の観衆を集めた。今シーズン注目を集めている元F1チャンピオンのジェンソン・バトンが加わるTEAM KUNIMITSUのRAYBRIG NSX-GT/BSは、予選でコースレコードを更新してポールポジションを獲得。決勝では一時トップを奪われるものの、再び首位を奪還。81周レースの終盤にセーフティカーが導入され、2位走行の野尻智紀/伊沢拓也(ATRA NSX-GT/BS)との差が無くなったが、レース再開後ゴールまで6周のデッドヒートを制して優勝した。
<予選>
予選日の朝には時折雨が降り、セッションが開始された時点ではコースの一部がハーフウェットの状況だった。しかし、時間を追うごとにコースコンディションはドライへと変化した。Q1セッションの終盤、各車がQ1突破に向けてアタックしている際にSPコーナーでヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500/BS)がコースオフ、クラッシュして予選は中断。Q1突破に向けてこの中断が少なからず影響した。再開後、残り時間は2分45秒の短時間だったために十分にタイヤをウォームアップできないまま敗退したチームがあった。Q2ではコース上にラバーグリップが乗り始めて、周回ごとにタイムアップ。山本/バトン組に続き佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー(カルソニック IMPUL GT-R/BS)、野尻/伊沢組の上位3台がコースレコードを更新。決勝グリッドの2列目までをブリヂストンユーザーが占めた。
<決勝>
決勝日は雲間から時折太陽が顔を覗かせ、スタート時に気温が一気に上昇した。序盤は予選の順位で推移したが、徐々に佐々木/マーデンボロー組がペースアップしてトップに立った。前戦の第5戦(富士500mile)でトップを走行中にトラブルで後退したが今回はレース半ばまでトップを維持し、ピットインして後半戦に突入、勝利を目指した。しかし、ピットインのタイミングで再び山本/バトン組が首位に。そして、佐々木/マーデンボロー組が最終コーナーでステアリング系のトラブルによってコースオフ、苦しい展開となって野尻/伊沢組にも先行を許してしまった。山本/バトン組は14秒の差をつけて勝利へ向けて疾走していたが、終盤にSPコーナーでGT300クラスのアクシデントが発生、セーフティカーが導入されてその差は無くなった。レース再開、残り6周。攻め立てる野尻/伊沢組を抑え、山本/バトン組が初勝利を飾った。
<ドライバーコメント>
山本尚貴選手「この勝利によって、皆さんの大きな期待と責任を担っているのだなと改めて痛感しました。ポールポジションの獲得では、嬉しさを爆発させずに決勝へ向けて集中しました。だからこの勝利の嬉しさはひとしおですね。気温、路面温度が上がって、ソフトタイヤでスタートしたので少し苦しい場面がありましたが、JB(ジェンソン・バトン)はミディアムタイヤにしたのでそのパフォーマンスは良かったですね。ありがとうございました」
ジェンソン・バトン選手「いろいろ聞いてこのSUGOに臨んだのだけれど、本当にタフで、最後はアメイジングな結果になった。今回は本当に多くのことを学んだ。特に最終コーナーでは、アウト側から抜きにかかってはいけない(笑)F1をドライブしていたら、それ以外のレースは簡単だろうという人もいるけど、SUPER GTは違う。とてもコンペティティブでタフなレース。だから正直言って6戦目で勝てるとは期待していなかった。でもそのタフなレースを楽しむことができたし、最後はアメイジングな結果に繋がった。サポートしていただいた皆さんとファンの皆さんに感謝します」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「土曜日の練習走行からコンディションが変化、決勝日は予報に反して好天。そのコンディションに対応して、予選ではブリヂストンユーザーがコースレコードを更新、決勝では最後の最後まで素晴らしいレースを展開していただきました。これまでの問題を分析、ホンダさんと協力して開発したNSX用のタイヤがパフォーマンスを発揮して得た勝利でした。一方第5戦でトラブルによって勝利を逃し、そして今回もトラブルで勝利することができなかったカルソニック IMPUL GT-Rは、速さがあっただけにとても残念ですね。シーズンも残り2戦、ブリヂストン装着車のチャンピオン獲得へ向けて頑張ります」
決勝
- 開催日:2018/09/16
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 路面温度:37℃〜31℃
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (3.737km x 81laps = 302.697km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 100 | 山本 尚貴/J.バトン | BS | RAYBRIG NSX-GT | 81 | 1:52:08.765 | ||||||
2 | 8 | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 81 | +0.562 | ||||||
3 | 12 | 佐々木 大樹/J.マーデンボロー | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 81 | +1.350 | ||||||
4 | 16 | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | YH | MOTUL MUGEN NSX-GT | 81 | +1.693 | ||||||
5 | 38 | 立川 祐路/L.ジャトン | BS | ZENT CERUMO LC500 | 81 | +3.304 | ||||||
6 | 24 | J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 | YH | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 81 | +5.188 | ||||||
7 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 81 | +5.579 | ||||||
8 | 3 | 本山 哲/千代 勝正 | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 81 | +6.772 | ||||||
9 | 17 | 岩澤 優吾/小暮 卓史 | BS | KEIHIN NSX-GT | 81 | +10.304 | ||||||
10 | 39 | H.コバライネン /小林 可夢偉 | BS | DENSO KOBELCO SARD LC500 | 81 | +11.674 | ||||||
11 | 6 | 大嶋 和也/F.ローゼンクヴィスト | BS | WAKO'S 4CR LC500 | 81 | +44.424 | ||||||
12 | 36 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | BS | au TOM'S LC500 | 81 | +57.033 | ||||||
13 | 64 | B.バゲット/松浦 孝亮 | DL | Modulo Epson NSX-GT | 77 | |||||||
14 | 1 | 平川 亮/N.キャシディ | BS | KeePer TOM'S LC500 | 76 | |||||||
- | 19 | 国本 雄資/山下 健太 | YH | WedsSport ADVAN LC500 | DNS |