平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)が最終戦を制す。チャンピオンの栄冠は大嶋和也/山下健太(WAKO’S 4CR LC500/BS)の頭上に輝く
- 開催場所:ツインリンクもてぎ
- 開催日:2019年11月02日(土) 〜 2019年11月03日(日)
平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)と大嶋和也/山下健太(WAKO’S 4CR LC500/BS)の一騎討ちとなった2019年SUPER GT第8戦(最終戦)は、平川/キャシディが今季初優勝、そして大嶋/山下組が2位に入り2ポイント差でドライバーズチャンピオンを獲得した。さらに上位6位までをブリヂストンユーザーが独占して2019シーズンを締めくくった。
<予選>
秋晴れのコンディションに恵まれた予選日だった。最終戦はウェイトハンディが無く、本来のマシンとタイヤ性能が試される場でもある。例年の最終戦よりも気温と路面温度が暖かめのコンディションとなった。最終戦にチャンピオンの望みをかけている松田次生/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R/MI)が予選Q1でいきなりトップタイムを叩き出した。同チームは、まず予選でポールポジションを奪取して1ポイントを獲得することがチャンピオンへの最低条件となっていた。そしてQ2に進むと中嶋一貴/関口雄飛(au TOM’S LC500/BS)がトップタイムを叩き出し、それに大嶋/山下組が0.035秒差で続いた。松田/クインタレッリ組は3番手となって、この時点でチャンピオンの可能性を失った。4番手には平川/キャシディ組がつけた。中嶋/関口のポールポジション獲得は、第3戦の鈴鹿以来今シーズン2回目。
<決勝>
事前の予報では午後に降雨の可能性が報じられていたが、曇り空の下で今年最後の決勝レースがスタートを切った。ポールポジションから中嶋/関口組がトップを快走し、その背後で平川/キャシディ組が1周目に3位、6周目に2位に順位を上げる一方、チャンピオンを争う大嶋/山下組は序盤で6位まで順位を下げてしまった。TOM’Sチームの1-2体制となった序盤に、18周を終えて平川/キャシディ組が、その次の周に中嶋/関口組と大嶋/山下組がピットインしてドライバー交代を終えた。各車がピットインを終えた時点でTOM’Sの二台に続いて大嶋/山下組が3位へ順位を挽回していた。後半でトップの中嶋/関口組のペースが上がらず、32周に平川/キャシディ組がトップに立った。その後、大嶋/山下組が37周の最終コーナーでサイドバイサイド、最後は接触しながらコースオフする激しい展開となってもう一つ順位を下げてしまった。これによって大嶋/山下組はチャンピオン獲得へ大きく前進。そのまま2位ゴールを果たして2ポイント差でチームとしては2002年以来、17年ぶりのチャンピオンに輝いた。
<チャンピオンドライバーのコメント>
大嶋和也選手「とにかくホッとしました。SUPER GTのGT500クラスにステップアップしてから11年目のシーズンでやっとチャンピオンを獲ることができました。いつ降ろされてもおかしくない、結果を残せないシーズンもありましたが、みんなが僕のことを信じてずっとチームルマンのエースとして走らせてくれたことに本当に感謝しています。今日は(山下)健太も本当にいい仕事をしてくれました。ブリヂストンさんをはじめスポンサーの方々、そしてトヨタさんに感謝します。やっとチャンピオンを取れて、来シーズンは、リラックスした気持ちで走ることができます」
山下健太選手「今日のレースは非常に厳しかったです。36号車を抜かないとチャンピオンになれないとよくわかっていたし、関口選手はすごくブロックがうまかった。少しでも気の迷いがあったら絶対抜けないと思って走っていました。関口選手を抜いたときはちょっと強引だったかなと思いましたが、あそこじゃないと抜けないと思って。チャンピオンのかかったレースなので引けないし、引くつもりもありませんでした。関口選手も<引かない>というオーラを感じたので、全開で並んでいきました。それでぶつかって、すごい衝撃がありました。でも僕が前に出ていたし譲る必要もないと思いました。あそこで並んでなかったらチャンピオンを獲れていなかったと思います。チャンピオンを取れて嬉しいです。ありがとうございました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「最終戦で遺憾無く優位性を発揮することができました。大嶋選手、山下選手チャンピオン獲得おめでとうございます。ブリヂストンユーザー同士のチャンピオン争いは素晴らしいレースだったと思います。白熱した展開をサポートすることができました。今回もレーシングタイヤの基本的な性能をきちんと備えたタイヤを供給しています。それは、ピークグリップがはっきりと有り、そしてグリップが出来るだけ長く安定して、マイレージが進んでもグリップの低下がなだらかというものです。決勝の上位を独占することができ、目指した性能は実現できたと思います。来シーズンは車両が変わります。タイヤ開発もゼロスタートです。このシーズンオフにしっかりとテストを繰り返して開幕戦から勝利を目指せるように努力します」
決勝
- 開催日:2019/11/03
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 路面温度:26℃〜24℃
- 決勝出走:15
- 完走:13
- (4.8km x 53laps = 254.4km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 37 | 平川 亮/N.キャシディ | BS | KeePer TOM'S LC500 | 53 | 1:31:25.868 | ||||||
2 | 6 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | WAKO'S 4CR LC500 | 53 | +12.169 | ||||||
3 | 36 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | BS | au TOM'S LC500 | 53 | +14.871 | ||||||
4 | 38 | 立川 祐路/石浦 宏明 | BS | ZENT CERUMO LC500 | 53 | +15.492 | ||||||
5 | 17 | 岩澤 優吾/B.バゲット | BS | KEIHIN NSX-GT | 53 | +21.338 | ||||||
6 | 1 | I.O.フラガ/J.バトン | BS | RAYBRIG NSX-GT | 53 | +22.018 | ||||||
7 | 19 | 国本 雄資/坪井 翔 | YH | WedsSport ADVAN LC500 | 53 | +46.232 | ||||||
8 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 53 | +47.481 | ||||||
9 | 16 | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | YH | MOTUL MUGEN NSX-GT | 53 | +1:08.290 | ||||||
10 | 24 | 高星 明誠/J.マーデンボロー | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 53 | +1:08.885 | ||||||
11 | 39 | H.コバライネン/中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD LC500 | 53 | +1:29.961 | ||||||
12 | 64 | N.カーティケヤン/牧野 任祐 | DL | Modulo Epson NSX-GT | 52 | |||||||
13 | 8 | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 47 | |||||||
- | 12 | 佐々木 大樹/J.ロシター | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 13 | DNF | ||||||
- | 3 | 平手 晃平/F.マコヴィッキィ | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | DNS |