GT500
1 DENSO KOBELCO SARD LC500
LEXUS TEAM SARD
ヘイキ・コバライネン/平手 晃平
チームランキング 6位(64 point)
ドライバーズランキング 8位(44 point)
巧みなレース戦略で第4戦SUGOを制す
予選9番手スタートから3位入賞した開幕戦岡山国際サーキットに見るように、決勝での追い上げが目立ったDENSO KOBELCO SARD LC500。決勝スタート前に降り出した雨で混乱した第4戦スポーツランドSUGOでも、ウェットタイヤの優位性を生かしてポジションを上げ、さらに早めにピットインしてスリックタイヤに交換する作戦が功を奏し、見事な逆転優勝を挙げています。最終ラップ、再び降り出した雨によりSPコーナーでほとんどコースアウトしながら後続のマシンを押さえての優勝でした。担当タイヤエンジニアは「ライバルの中にはスリックタイヤに賭けるチームもありましたが、ウェットには自信がありました。最終ラップのコースアウトは、低温域でもグリップを発揮するタイヤを開発してきたおかげで首の皮一枚が繋がった気持ちです」と胸を撫で降ろしました。
6 WAKO’S 4CR LC500
LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S
大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ
チームランキング 3位(82 point)
ドライバーズランキング 3位(63 point)
常に「勝てる速さ」を見せた
シーズンを通じて勝てる速さを見せたWAKO’S 4CR LC500。開幕戦の岡山国際サーキットでは優勝したKeePer TOM'S LC500を最後まで追い詰め2位。最終戦ツインリンクもてぎでも予選2位と、ウェイトハンデなしの実力勝負で速さが光りました。レクサス勢の中では他車よりもワンランク柔らかめのタイヤを選ぶ傾向にあり、特に気温の低いレースでは存分にそのメリットを生かしていました。また第7戦タイでは決勝に備えてハード寄りのタイヤを選びながら予選4位と上位に食い込み決勝での躍進が期待されましたが、その決勝はまさかの雨に見舞われ、せっかくのタイヤ選択を生かせず終い。さらにシリーズランキング2位で迎えた最終戦ツインリンクもてぎもノーポイントととなり、シリーズランキングは3位に留まりました。
8 ARTA NSX-GT
AUTOBACS RACING TEAM AGURI
野尻 智紀/小林 崇志
チームランキング 9位(50 point)
ドライバーズランキング 9位(37 point)
3度のポールポジション、第5戦富士スピードウェイでは圧倒的なポールtoウィン
第5戦富士スピードウェイ、ARTAはGT500/GT300両クラスでポールtoウィンという、圧倒的な強さを見せました。元々ARTA NSX-GTは、開幕戦の岡山国際サーキットと第4戦のスポーツランドSUGOでポールポジションを獲得、シーズン中盤のテストでも好タイムをマークするなど速さを見せていました。従来NSX勢は、路面に付いたゴムを拾ってしまうピックアップの問題を抱えていましたが、シーズンオフの間にホンダとブリヂストンで検討を重ね、2017用のタイヤではこの問題を軽減、第5戦富士でのARTA NSX-GTの安定した速さに貢献しました。
12 カルソニックIMPUL GT-R
TEAM IMPUL
安田 裕信/ヤン・マーデンボロー
チームランキング 13位(33 point)
ドライバーズランキング 15位(17 point)
厳しい戦いの中で見せた着実な進化
GT-R勢の中で唯一ブリヂストンタイヤを履くカルソニックIMPUL GT-Rにとって、2017年は決して順調なシーズンではありませんでした。第1戦岡山国際サーキット、第3戦オートポリスと着実な入賞でポイントを重ねたものの、新型エンジンを投入して上位進出が期待された第4戦スポーツランドSUGOではウェット路面にスリックタイヤという作戦が裏目に。それでも車両の特性に合わせてコーナー進入を重視したタイヤ作りでシーズン中盤のポテンシャルアップを図り、第5戦富士スピードウェイでは5位入賞。第6戦鈴鹿サーキットは他車との接触によりノーポイントに終わりましたが、第7戦のタイはコース特性との相性も良く予選2番手を得ています。最終戦のツインリンクもてぎを7位入賞で締めくくりましたが、「レースのためなら妙な気遣いをすることなく、ドライバーにもタイヤにも『もっとがんばれ!』と求める星野一義監督らしいチームと共に、GT-Rで躍進する姿を見せたい」と担当エンジニアは、早くも来シーズンへの意気込みを語っています。
17 KEIHIN NSX-GT
KEIHIN REAL RACING
塚越 広大/小暮 卓史
チームランキング 8位(51 point)
ドライバーズランキング 10位(37 point)
無念の鈴鹿1000kmリタイヤ。続くタイでは表彰台に
第2戦富士スピードウェイで8位、第3戦オートポリスでは2位と、シーズン序盤から際立つ速さを見せたKEIHIN NSX-GT。しかし第4戦スポーツランドSUGOでは走行中にボンネットが外れるトラブルでリタイヤ、第5戦富士スピードウェイでも他車と接触しリタイヤ。そして第6戦鈴鹿1000kmではレースの大半をリードしながらタイヤトラブルによってリタイヤとなってしまいました。しかしながら続く第7戦タイでは、レース直前までタイヤの使用条件についてチームとミーティングを繰り返し、予選は3番手をゲット。決勝に向けてもチームとタイヤエンジニアとで戦略面まで議論を重ねて3位表彰台を獲得しました。
36 au TOM'S LC500
LEXUS TEAM au TOM'S
中嶋 一貴/ジェームス・ロシター
(※第2戦のみ、中嶋 一貴に代わり伊藤 大輔が出走)
チームランキング 5位(73 point〉
ドライバーズランキング 5位(ロシター 53 point)、6位(中嶋 47 point)、19位(伊藤 6 point)
速さが際立ったオートポリス優勝
最終戦までタイトル争いに絡み、シリーズランキング5位という結果以上に速さが際立っていたのがau TOM'S LC500です。第3戦オートポリスでは7番手スタートから見事な追い上げで優勝、強豪ひしめくレクサス勢の中で存在感をアピールしました。実はこの時、予選のコースアウトでタイヤを痛めてしまい、決勝用に予定していたタイヤを使うことができませんでした。チームエンジニアとドライバー、そしてブリヂストンの担当エンジニアでミーティングしワンランク柔らかいタイヤを使い、それが好結果に繋がりました。2台のレクサスを走らせるTEAM TOM'Sは、タイヤについて合同ミーティングするなど共有できるデータが多く、TEAM TOM'Sだけでなくブリヂストンを履くレクサス勢全体にとって、大変心強い存在でした。
37 KeePer TOM'S LC500
LEXUS TEAM KeePer TOM'S
平川 亮/ニック・キャシディ
チームランキング 1位(105 point)
ドライバーズランキング 1位(84 point)
史上最年少のチャンピオンコンビ誕生!
シーズンを通じてミスなく速い。それがKeePer TOM'S LC500のタイトル獲得に繋がりました。平川選手とキャシディ選手、共に23歳という若手コンビながら、レース中の目立ったミスや他車との接触もありませんでした。タイトルの鍵を握ったのは第7戦タイ。ウェットコンディションでのスタートとなった決勝では、あえてギャンブルすることなく最適なウェットタイヤを選んでスタートし、ライバルの動きを見ながらタイミングを計ってピットインする戦略でシーズン2勝目をマーク。貴重な21点を獲得しました。「タイではウェットコンディションそのものが初めてで、実績もなく大外しする可能性もありました。短いフリー走行のデータをチームとブリヂストン全体で客観的に解析することで、最善のタイヤを短時間で選ぶことができました。あそこで負けていたらタイトルはなかったかもしれません。また、ドライバーが熱くなりそうな局面では、エンジニアが無線で巧みに語り掛けていたのが印象的です」と担当エンジニアはチームについて語っています。
38 ZENT CERUMO LC500
LEXUS TEAM ZENT CERUMO
立川 祐路/石浦 宏明
チームランキング 4位(81 point)
ドライバーズランキング 4位(62 point)
得意な富士スピードウェイで狙い澄ました勝利
2013年を最後にトヨタのお膝元である富士スピードウェイで優勝から遠ざかっていたレクサス勢ですが、5月の第2戦でZENT CERUMO LC500が狙い澄ましたような快心の勝利を挙げました。レクサス6台中5台をサポートしているブリヂストンとしても、なんとしてでも勝ちたい一戦でした。例年、第2戦富士で使用するタイヤは、3月に富士スピードウェイで開催されるテストでスペックを見極めていますが、今年は雪に見舞われ走れず終い。別のサーキットで直前に実施したレースやテストで得たデータから、ぎりぎりのスケジュールでタイヤを用意しており、それだけにZENT CERUMO LC500の優勝はひと際嬉しいものでした。担当エンジニアは「本来であればやらないような無理なスケジュールでしたし、それだけにあそこで勝てたのが嬉しい。ZENT CERUMOさんの富士の速さに関して言えば、もちろんクルマもしっかりと造られていますが、あれはドライバーさんに因るところも大きいと思います」とコメント。ZENT CERUMO LC500はその後も第5戦富士スピードウェイで3位、第6戦鈴鹿サーキット10位、第7戦タイ4位、そして最終戦ツインリンクもてぎでもきっちりと3位表彰台を獲得。チームとしての強さをアピールしました。
100 RAYBRIG NSX-GT
TEAM KUNIMITSU
山本 尚貴/伊沢 拓也
チームランキング 7位(63 point)
ドライバーズランキング 7位(45 point)
際立つ速さ。ホンダ勢最上位のシリーズ7位
第3戦オートポリスではポールポジションからスタートし3位表彰台。第4戦SUGOではウェットコンディションの中、安定したペースでレースをリードしながら、セーフティーカーのタイミングによってポジションを落としたのが残念です。また第6戦鈴鹿1000kmではレース終盤、まるでスプリントレースのような激しいオーバーテイクを繰り広げ観客を沸かせて結果3位。“ハマると速い”RAYBRIG NSX-GTはランキング7位でシーズンを終え、ホンダ勢最上位につけました。
GT300
31 TOYOTA PRIUS apr GT
apr
嵯峨 宏紀/久保 凜太郎
チームランキング 15位(35 point)
ドライバーズランキング 15位(17 point)
51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3
LM corsa
中山 雄一/坪井 翔
チームランキング 3位(85 point)
ドライバーズランキング 3位(61 point)
55 ARTA BMW M6 GT3
AUTOBACS RACING TEAM AGURI
高木 真一/ショーン・ウォーキンショ―
チームランキング 4位(76 point)
ライバーズランキング 4位(61 point)
65 LEON CVSTOS AMG
K2 R&D LEON RACING
黒澤 治樹/蒲生 尚弥
チームランキング 2位(95 point)
ドライバーズランキング 2位(72 point)
GT300クラスでは2017年、新たに2台のマシンを加えて4台体制となりました。残念ながらタイトルを獲得することはできませんでしたが、4チーム中3チームがシリーズランキング2、3、4位を占めるなど、チームの好成績に貢献することができました。これら3台がそれぞれ優勝し、残りの1台も表彰台に上がっており、GT300ならではの多彩な車両バラエティに対応するタイヤを供給することができました。また、特に第4戦スポーツランドSUGOにおいて、ウェットコンディションでのパフォーマンスは明確にライバルを上まわっていました。ライバルは手強い存在ですが、来シーズンは今年以上にチームに貢献し、また、GT300で主流になりつつあるタイヤ無交換作戦にも対応しつつ、グリップ面でも優位なタイヤを提供していきます。