第2戦富士への鍵は最適なタイヤ選び
2018年のSUPER GT開幕戦となったOKAYAMA GT300km RACE。ブリヂストンはGT500クラスで上位4位までを独占、雨絡みとなった予選でも1-2位を占めるなど、幅広いコンディションに対応するタイヤを提供しました。優勝はポールポジションからスタートした#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史選手)。2位にはタイヤ無交換作戦を選んだ#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン選手)が入っています。
オフシーズンからの評判どおり、今年のSUPER GTは例年にも増して各車の実力が拮抗しています。GT500クラスのQ1予選では、僅か1.155秒の中にトップから15番手までの全マシンが名を連ね、また決勝においても#17 KEIHIN NSX-GT と#100 RAYBRIG NSX-GT、そして#1 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ選手)が激しい攻防戦を繰り広げ、時に接触しながらのオーバーテイクは、訪れたファンを魅了しました。
レースの厳しさは、「まずは予選、決勝共に開幕戦を良い結果で終えることができ、ほっとしています」というMSタイヤ開発部マネージャー松本真幸の言葉にも表れました。特に予選では想定していた以上に気温が低く、タイヤのウォームアップに苦労する中での予選1、2位獲得。決勝でも「優勝した17号車も2位に入った100号車も、走り出しからロングランまで安定してラップタイムを維持してくれました。100号車はタイヤ無交換で決勝を走ることを検討しており、それに合わせたタイヤの使い方を提案しました」と松本が説明するように、ブリヂストンは幅広いコンディションに合わせて、異なるチームの戦略を支えました。
LEXUS LC500勢も3、4位と好結果を残し、GT-R勢唯一のブリヂストンユーザーである#12カルソニックIMPUL GT-Rは14位と伸び悩みましたが、富士スピードウェイでのテスト結果も良いことから、開幕戦の結果を踏まえて対策を講じることで本来のポテンシャルを発揮することが期待されます。
一方のGT300クラスでは、決勝レース序盤に優勝争いを演じた#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平選手)が残念なリタイアとなったものの、#65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥選手)が4位、#55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショ―選手)が6位と堅実な入賞を果たしました。
●ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント
「新たなシーズンを迎え、新しいコンセプトのタイヤを投入しました。開幕戦岡山レースの予選では路面温度が低く、タイヤが十分に温まって本来の性能を発揮するまでに少し時間が掛かりましたが、 決勝レースのように適切に作動する温度であれば高い競争力があることは確認できました。今後さらにコンパウンドや構造を煮詰めていきます。ライバルの巻き返しもあるでしょうが、次戦富士のコンディションをしっかりと予測して適切なスペックのタイヤを持ち込めば、十分に戦えるでしょう。
またGT300に関しても、BOPによりマザーシャシーが有利と言われている中で65号車も55号車も入賞と、車の特性を考えれば良いレースができたと思っています。今シーズン、GT500と同じようにGT300にも新しいスペックを投入していますが、マシンとタイヤのセッティングがより進めば、さらに高いポテンシャルを発揮できると期待しています」