坪井 翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)がポールtoウインで開幕戦を制す
- 開催場所:岡山国際サーキット
- 開催日:2024年04月13日(土) 〜 2024年04月14日(日)
全日本GT選手権から30周年となった国内ツーリングカーシリーズ最高峰SUPER GT。同シリーズが標榜する【環境対応ロードマップ SUPER GT Green Project 2030】の一環として1レースで使用できるタイヤのセット数が減少し予選方式が新しくなった。シーズン開幕、まさに初トライのレースでポールポジションを獲得した坪井 翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)がドライバー交代のタイミング以外で終始トップを快走し、2位に11秒以上の大差でゴール。ファステストラップも記録してパーフェクトウインを飾った。2位には関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GT Supra/BS)、3位に山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)が入り、上位9位までをブリヂストンユーザーが占めた。
<予選>
300Kmレースで使用できるタイヤセット数が昨シーズンから1セット少ない4セットとなり、尚且つ予選から決勝のスタートまで使用できるのは1セットのみ。また、Q1敗退という車両が無くなり、全車がQ1とQ2を走行して両セッションの合算タイムで決勝のグリッドが決することとなった。約1ヶ月前に行われた公式合同テストから気温、路面温度が一気に上昇した。Q1でトップタイムを叩き出したのはR.クインタレッリ/千代勝正(MOTUL AUTECH Z/BS)これに石浦宏明/大湯都史樹(KeePer CERMO GR Supra/BS)が続いた。そして、Q1で使用したユーズドタイヤで臨むQ2で合算のタイムでトップに立ったのは、坪井/山下組。ニュータイヤでQ1を担当した山下のタイムよりもユーズドタイヤのQ2を担当した坪井のタイムが上回り、2番手の関口/中山組に0.2秒差をつけてポールポジションを獲得。3番手には山本/牧野組となった。
<決勝>
決勝前に気温が26度に達し、夏日となったコンディションの中で300Kmレースがスタートした。上位陣はスターティングリッドの順位でスタートが切られたが、中段で接触があり、多重クラッシュの末に塚越広大/太田格之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT/BS)がコース上にストップしてしまい1周目から6周終了までセーフティカーが導入された。レース再開から坪井/山下が一気にリードを広げた。予選から決勝のスタートまで使用しなくてはならない1セットのタイヤは、ドライバーの最小周回数規定によって少なくともレース周回数の1/3=28周を走行しなければならない。18周目に山本/牧野組をパスして3番手にポジションアップした石浦/大湯組だったが28周して2台が同時にピットインしてドライバー交代。そこで山本/牧野組が迅速な作業で順位を逆転し、3番手でレースに復帰した。2番手の関口/中山組は、30周してピットイン、それを見てトップの坪井/山下組がその次の周にピットイン。上位陣の順位は、1周目のアクシデントの影響を受けた車両以外は、グリッド順のままとなった。坪井/山下組は、セカンドスティントでも安定したラップタイムを刻んで大量リードで開幕戦を制し、同チームは、昨年から3連勝を記録した。
<優勝ドライバーのコメント>
坪井 翔選手「昨シーズンの終盤から今回で3連勝というのは、このシリーズでは簡単位にできることではないので、チームと山下選手の力で勝ち取った結果だと思います。SCの後のリスタートで3秒くらいリードできました。タイヤのパフォーマンスはすごく安定していました。<山下選手から20秒はちぎってきて>と言われたのですが、10秒ちょっとでしたが、後は山下選手に頑張ってもらおうと、バトンタッチしました。勝ってウエイトが積まれますが、次戦は3時間レースなので勝つチャンスはまだあると思っていますので、連勝を目指します」
山下健太選手「とても良い内容のレースでした。チームと坪井選手に感謝しています。ロングスティントになるのは最初から分かっていたので、チームからは上手くタイヤマネージメントするように言われていました。タイヤのグリップは安定していたので余裕もありました。しかし、坪井選手が築いてくれた10秒の差が途中で4秒くらいになってしまって、もういいかなと思ってペースをアップして10秒以上のリードに戻せました。次戦は、今回うまくゆかなかった予選での速さを示したいと思っています」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「予選から決勝まで安定した速さを示すことができました。岡山の公式テストからかなり気温、路面温度が上がっていますが、これに関して心配はしていませんでした。タイヤセット数が少なくなっていますが、各チームさんには想定コンディションの中で真ん中のポジションのタイヤは持っていていただき、そこを中心として上(ハード)、下(ソフト)をチョイスしていただきました。各タイヤは、ロングライフで、レンジが広く、どのチョイスでも問題なく走行できたと思います。供給したタイヤは、特に今年のために開発したというよりも、これまでの延長線上にあるタイヤであって、そのパフォーマンスには自信がありました。やはり今後は、Q2のユーズドタイヤのセッティング、内圧調整が予選のキーポイントになってきますね。その辺をチームさんと情報交換して臨みたいと考えています」
決勝
- 開催日:2024/04/14
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:39°C〜37°C
- 決勝出走:15
- 完走:13
- (3.703km x 82laps = 303.646km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 36 | 坪井 翔 /山下 健太 | BS | au TOM'S GR Supra | 82 | 2:02'48.219 | ||||||
2 | 39 | 関口 雄飛 /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 82 | 2:02'59.230 | ||||||
3 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 | BS | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 82 | 2:03'00.481 | ||||||
4 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 | BS | KeePer CERUMO GR Supra | 82 | 2:03'09.319 | ||||||
5 | 23 | 千代 勝正 /R.クインタレッリ | BS | MOTUL AUTECH Z | 82 | 2:03'12.760 | ||||||
6 | 3 | 高星 明誠 /三宅 淳詞 | BS | Niterra MOTUL Z | 82 | 2:03'13.643 | ||||||
7 | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ | BS | Deloitte TOM'S GR Supra | 82 | 2:03'13.995 | ||||||
8 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 82 | 2:03'29.534 | ||||||
9 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 82 | 2:03'31.226 | ||||||
10 | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 81 | 2:03'12.075 | ||||||
11 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット | BS | MARELLI IMPUL Z | 81 | 2:03'16.126 | ||||||
12 | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 81 | 2:03'55.424 | ||||||
13 | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 79 | 2:03'58.097 | ||||||
- | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 43 | DNF | ||||||
- | 17 | 塚越 広大 /太田 格之進 | BS | Astemo CIVIC TYPE R-GT | DNF |