平峰一貴/松下信治(カルソニック IMPUL GT-R/BS)が5年ぶりの優勝。トップ5をブリヂストンユーザーが独占
- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2021年09月11日(土) 〜 2021年09月12日(日)
2年ぶりにSUPER GTがスポーツランドSUGOに戻ってきた。コロナ禍の影響で2020年は開催が見送られた菅生大会、今年は第5戦で開催された。トップを快走していた野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX-GT/BS)がペナルティで後退、2位を走行していた平峰一貴/松下信治(カルソニック IMPUL GT-R/BS)がトップに立つと後続を振り切って、2016年以来の優勝を飾った。
<予選>
予選日の午前中の練習走行、そして午後の予選と曇り空の下、路面温度が予想より下回ったことでタイヤチョイスが難しかった。また、ランキング上位チームはサクセスウェイトと燃料リストリクターの影響で苦しい展開を強いられていた。練習走行では野尻/福住組、平峰/松下組が1-2という状況だった。そして迎えた予選では、Q1でヘイキ・コバライネン/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra/BS)がソフト系のタイヤでトップタイムを叩き出した。しかし、決勝日は気温と路面温度の上昇が予想されていたためにハード系のタイヤでQ2に臨むチームがほとんどだった。そして、野尻/福住組が今季初ポールポジションを獲得。福住選手にとってはGT500クラス初。2番手に笹原右京/大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT/DL)。そして、3番手に平峰/松下組。そして第2戦で優勝してランキング5位、サクセスウェイト60キロ(実ウェイト43キロ+燃料リストリクター1段階)の塚越広大/ベルトラン・バゲット(Astemo NSX-GT/BS)が4番手に着けた。
<決勝>
予想通りに気温、路面温度が上昇した決勝日は快晴の空の下で84周のレースがスタートした。車両の隊列が整わなかったために当初予定されていた2周のフォーメーションラップが1周追加されて周回数が83周に変更された。スタート直後から一気に後続との差を開いて野尻/福住組が周回を重ねる。そして31周してピットインした際には約20秒の大差を築いていた。その背後では2番手スタートの笹原/大湯組がペースを落とし後退。塚越/バゲット組と平峰/松下組がバトルを展開し、平峰/松下組が2位へ。するとトップを走る野尻/福住組にピット作業違反によるドライブスルーのペナルティが出た。同時期にコース上、最終コーナーでGT500車両がストップ、火災が発生してしまったためにセーフティカーが導入された。セーフティカー導入中はペナルティを消化できない状況だが、野尻/福住組はピットロードへ入ってしまい、また出口のシグナルが赤だったのに停止せずにコースインしてしまうという違反を重ねてしまった結果、何度もドライブスルーペナルティを消化しなくてはならなかった。これで平峰/松下組がトップへ。そして気がつけば、2位にはランキングトップの山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)が10番手スタートから浮上していていた。しかし、山本/牧野組の追い上げもそこまで。平峰/松下のコンビは初優勝。チームにとっては2016年以来の栄冠を手にした。
<優勝ドライバーコメント>
平峰一貴選手「僕のスティント(レース後半)はピットアウトして、最初タイヤを温めるのに苦戦したのですが、その1周で17号車がすぐ後ろに来ていたので<これは絶対おさえないとアカン>と思いました。ここで抜かれてしまってはIMPULの名を汚すことになると思い一生懸命に攻めた結果、なんとかおさえきることができました。その後のペースもトラフィックがあったりで追いつかれたりもしたのですが、最終的にはギャップを作って終えられたことは良かったと思います。ここまで、いつになったら自分がGT500で優勝できるのかと思っていました。GT300クラス時代からいろんなチームの皆さんにもお世話になり、こうやってGT500に乗って優勝できたのは、ここまで支えてもらった皆さんのおかげです。今回優勝できたことで今までモヤモヤしていたことがパーンと晴れた感じです。これまでの悪い流れを断ち切ってチームと粘って手にした結果ですし、僕らがここまでやってきた強さをこれからも発揮していきたいです。これからチーム、そしてスポンサーの皆さんにいい結果を届けるよう、僕らふたりもチーム一丸となって全力で戦っていきます。ガンガンいきますから、見ていてください」
松下信治選手「今までレースペースで苦戦する中、ブリヂストンがすごくいいタイヤを持ってきてくれました。<これが正しいと思う。いや、これだな>という感じでセットアップも毎回違って行ったり来たりしていましたが、ようやくここでバチッとクルマが決まりました。まずはチームとブリヂストンに感謝したいと思います。自分のファーストスティントに関しては、3番手からのスタートでしたが思ったより最初のペースが上がらなくて、後ろには抜かれまいとがんばってディフェンスしていたのですが、16号車とのバトルの間に17号車に先に行かれてしまいました。でもそこでめげることもなく、チームからいっぱい無線連絡をもらったし、チャンスもまた巡ってきて2台を抜くことができました。スティント的にもすごくアグレッシブに走れたし、良かったと思います。(平峰)一貴につないだ後半では結構長いスティントになりましたが、そこもブリヂストンのタイヤが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたので、ほんと感謝です。ありがとうございました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「IMPULチームが優勝。おめでとうございます。ここまで苦しいシーズンを過ごしてきて、5年ぶりですか。ようやく手にした勝利ですね。ブリヂストンもこの優勝を支えることができてうれしく思います。IMPULのGT-RそしてNSX、Supraと全てのメーカー、車種でタイヤ他社に対して優位性を発揮することができました。予選と決勝では路面温度のコンディションが異なりましたが、その状況下で安定したパフォーマンスを発揮できました。次戦のオートポリスはまたキャラクターが異なるサーキットです。ブリヂストンユーザー達はサクセスウェイトがどんどん増えている状況ですが、強力にサポートしてまいります」
決勝
- 開催日:2021/09/12
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:45°C〜38°C
- 決勝出走:15
- 完走:12
- (3.586km x 83laps = 297.638km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 12 | 平峰 一貴/松下 信治 | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 83 | 1:56'41.101 | ||||||
2 | 1 | 山本 尚貴/牧野 任祐 | BS | STANLEY NSX-GT | 83 | +8.511 | ||||||
3 | 17 | 岩澤 優吾/B.バゲット | BS | Astemo NSX-GT | 83 | +11.145 | ||||||
4 | 36 | 関口 雄飛/坪井 翔 | BS | au TOM'S GR Supra | 83 | +12.437 | ||||||
5 | 39 | H.コバライネン /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 83 | +12.596 | ||||||
6 | 24 | 高星 明誠/佐々木 大樹 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 83 | +24.626 | ||||||
7 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 83 | +28.532 | ||||||
8 | 64 | 伊沢 拓也/大津 弘樹 | DL | Modulo NSX-GT | 83 | +30.822 | ||||||
9 | 16 | 笹原 右京/大湯 都史樹 | DL | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 83 | +42.921 | ||||||
10 | 8 | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 81 | |||||||
11 | 37 | 平川 亮/阪口 晴南 | BS | KeePer TOM'S GR Supra | 75 | |||||||
12 | 14 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 62 | |||||||
- | 38 | 立川 祐路/L.ジャトン | BS | ZENT CERUMO GR Supra | 57 | DNF | ||||||
- | 19 | 国本 雄資/宮田 莉朋 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 45 | DNF | ||||||
- | 3 | 平手 晃平/千代 勝正 | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 37 | DNF |