みなさん、こんにちは!ブリヂストンの山田宏です。
今回は5/19-21に開催される、ドイツ・オシャスレーベン8時間レースの見所についてお話をさせていただきます。その前に、4/14-16に行われた、ルマン24時間レースを振り返ってみましょう。

1.ルマン24時間レースを振り返って


ルマン24時間レースの結果については、HPでレポートしているのでご存じの方も多いと思いますが、もう一度下記をご覧ください。
レポート:2016-2017 FIM EWC 世界耐久選手権 第2回大会
我々のサポートする#7 YART-YAMAHAが2位、#5 F.C.C. TSR Hondaが5位とまずまずの結果でした。

#7 YART-YAMAHAは、予選ではトップと100分の3秒差で2位、レースでは21時間過ぎまでトップを快走したものの、その後逆転されて最終的にトップから20秒遅れでの2位となりました。24時間走って1-2位が20秒の僅差とは新記録だそうです。

終盤にちょっとしたマシントラブルがあり、ペースが少し上がらなくなったのですが、それも含めて耐久レース!  しかし初めてのチーム、ライダー、タイヤのパッケージでしたが、十分にトップを狙えるポテンシャルは確認出来ました。 海外レース初参戦の野左根選手も、レギュラーライダーに交じって、しっかりと24時間を走り切りました。 毎回初めてのコースが続きますが、経験を積み重ねて、鈴鹿8耐ではチームを引っ張っていくエースライダーになる事を期待します。

昨年3位表彰台の#5 F.C.C. TSR Hondaも、終盤には一時3位を走行しましたが、惜しくも表彰台を逃しました。
優勝した#94 GMT94 YAMAHAは860周(3,599km)を走りましたが、これも過去最高の記録となりました。
3位に入ったのは、2度も転倒を喫し、さらに予定外のピット作業もこなした#11 TEAM SRC KAWASAKIでした。

鈴鹿8耐は毎年見ていますが、24時間レースを見たのは初めてだったので、色々と刺激を受けました。
鈴鹿8耐では、転倒や予定外のピットイン等があると、まず表彰台は難しくなるのですが、さすがに24時間となると長いので、 多少のアクシデントやトラブルはスピードで挽回する事が可能です。
マシントラブルも想定していて、パーツの交換や修理がし易いようになっています。  ピットクルーも、上位チームの作業が速い事!鈴鹿8耐では日本のチームが速いので、あまり目立たないですが、 レギュラー参戦の上位チームの安定したピット作業の速さには驚きました。このピット作業を、24時間で25回から27回をこなすのですから、 体力的にも相当きついものがあります。ちなみに、ルマンではガソリン給油装置は各ピットに同じものが備え付けられていて、 鈴鹿8耐とは違って4輪のように固定されたタンクから、ホースを使っての給油となります。

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レギュラー上位チームのピット作業の速さは、目を見張るものがありました

2. コースについて


オシャスレーベンという街は、ドイツ・ベルリンの西約250kmにあり、第3戦が開催されるオシャスレーベン・モーターパークは1997年にオープンしました。
翌1998年にはオシャスレーベン24時間耐久レースが始まり、1999年からEWCのシリーズ戦に組み込まれ、今年で20周年を迎えます(2008年から8時間耐久へ変更になりました)。
全長3.667km、右9、左7ヶ所のコーナーからなっている時計回りのコースで、ベストラップでの1周の平均速度は153.4km/hと、中低速コースと言えます。ちなみにルマンは157.3km/hでした。
ストレートは約750mで、1コーナーの後、すぐに回り込んだコーナーと、その後も中低速コーナーが続きます。約560mのバックストレートの後は、やや速度の乗ったS字コーナーとなり、その後2つの右コーナーでストレートに戻ってきます。 高低差はほとんどなく、コース全体が見渡せるレイアウトになっています。昨年の経験で言いますと、路面のグリップはあまり良くなく、ヨーロッパの平均的な感じでしょうか?

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3. 予選、決勝の見所


今回のエントリーに関しては、我々がサポートする#7 YART YAMAHAは、ルマンの決勝を走った3人、B.パークス、M.フリッツ、野左根 航汰でのエントリー。 #5 F.C.C. TSR Hondaは、同じくルマンの決勝を走ったB.グレッグ、D.クルディンに加え、ルマンではリザーブライダーだったJ.フックスを起用します。

他チームは、現在ランキングトップの#1 Suzuki Endurance Racing Team、ルマンで優勝した#94 GMT94 YAMAHAは同じメンバーで臨みますが、ルマンで3位になった#11 TEAM SRC KAWASAKIは今回エントリーしておらず全体では33台のエントリーとなります。 昨年のオシャスレーベンでのレースは、#94 GMT94 YAMAHAが優勝、#1 Suzuki Endurance Racing Teamが2位、#7 YARTは予選でポールポジションを取り、5時間過ぎまでトップを走りながらマシントラブルでリタイヤ、#5 F.C.C. TSRは予選5位から序盤3位を走行しながら、やはりマシントラブルの為リタイヤでした。

今回のレースは、タイヤ本数規制が適用されます。8時間レースなので、予選決勝で鈴鹿8耐と同じ20本のタイヤが使用可能です。
昨年の優勝チームは8回ピット、2位のチームは7回ピットでしたが、天候も安定していてレース中にセーフティーカーが出なければ、7回ピットの8スティントが有利となると思われます。タイヤの摩耗状況にもよりますが、フロント、リア共に毎回タイヤを替えると16本が必要で、残りは4本。予選ではこの4本を3人で使いながら、新品タイヤで2、3周アタックをして、そのタイヤを決勝レースに使うという戦略になると思われます。
また、8時間のレースで勝つためにはハイペースが要求されるでしょう。パッシングポイントが少ないコースなので、バックマーカーの処理にも気を使い、ミスの無いライディングが重要になります。

今シーズン2戦が終了した時点でのランキングは下記のとおりです。
ewc03_03.jpg8時間耐久レースでは、1位:30点、2位:24点、3位21点、4位19点、5位17点、6位:15点で、以下1点ずつ少なくなり20位までにポイントが与えられます。
我々のサポートする#5 F.C.C. TSR Honda と#7 YART-YAMAHAには、上位とのポイント差を詰めて欲しいですね!

4. タイヤ


昨年、TSRがこのコースでレースをしているものの、スタート後2時間過ぎでリタイヤしてしまったため、あまりデータは得られませんでした。 今回は、前回のルマンと基本的に同じタイヤを準備し、気温が少し高くなる事が予想されるので、コンパウンドはハード側も多く持って行きます。
また、8時間レースと前回より短いながら、ウェットも含め合計約300本のタイヤを搬入します。
今週末の天気予報は、まだまだ不安定なようで、現在(5/15)の天気予報では、走行が始まる木曜日は晴れですが、金曜日は降水確率70%で雨の予報!レースの土曜日は曇りとなっています(降水確率20%です)。気温も日によって最低気温が10℃から14℃、最高気温が18℃から22℃となっていて、幅があるようです。

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5. タイムスケジュール


今回は土曜日が決勝レースとなりますので、5/18木曜日の午前中に2時間のフリープラクティス、 午後と5/19金曜日の午前中に20分間の予選が1回ずつあり、決勝は5/20土曜日14時にスタートして、22時にゴールです。
日本との時差は7時間なので、日本時間では5/21の明け方5時ゴールです。

今週のレースも、テレビ放送では見られないのですが、FIM EWC公式ホームページでライブタイミング(順位とラップタイムが分かります)は見られますのでチェックして下さい。
http://www.fimewc.com/live-timing/

またブリヂストンモータースポーツのHPでは、現地から速報をお届けしますので、下記をご覧ください。
http://ms.bridgestone.co.jp/hp/racenews_8tai


今週末も、ブリヂストンタイヤ装着チームの活躍に期待し、応援よろしくお願いします!