ブリヂストン装着チームに今年の抱負を聞くインタビューシリーズ。
F.C.C. TSR Honda Franceの藤井監督にお話を伺いました。

聞き手:ブリヂストンモーターサイクルレーシングマネージャー 東 雅雄

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【TSR藤井正和監督インタビュー】

:現時点でEWC年間ランキング3位。昨シーズンと違って今シーズンは追う立場で最終戦鈴鹿8耐を迎えましたが、心境はどうでしょうか?
藤井監督:ブリヂストンと共に2016年からEWCに挑戦し、自分達でやれる事を毎シーズンやってきた。昨年は大きなチャレンジに対しチャンピオン獲得という我々の目標を達成する事ができたが、今シーズンもブリヂストンと共にそのチャンスを再び迎えることができて非常に嬉しい。この世界は勝てる者、実力がある者が勝つ世界。その当たり前の勝負の世界で我々は自分たちの力を信じて奇跡を起こしたいと考えている。

:鈴鹿8耐に向けてブリヂストンタイヤとのマッチングを含めたマシンの仕上がり状況はどうでしょうか?
藤井監督:今年の全日本ロードレース選手権で同じブリヂストンを使用している高橋巧選手(Team HRC)が鈴鹿で2分3秒台と言う素晴らしいタイムを記録した。言い換えれば同じようなパッケージを使用する我々が同様なタイムを出してもおかしくないとも言える。
チーム体制や、レースが耐久レースなのかスプリントレースなのかといった、いくつかの要素は違うけど、今回のテスト結果(7/9~10、鈴鹿8耐公開テスト)を見て頂けば、国内有力チームが全日本ロードレース選手権やテストで仕上げてきているマシンが出した上位のタイムに割って入れている。この事実をもってEWCレギュラーチームの実力と良好なマシンの仕上がり具合を示せたのではないかと思う。

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:現在ランキングトップとは23ポイントの差があります。今シーズンから予選でもトップ5まではポイントが与えられるようになりました。昨年は予選順位はあまり気にされていませんでしたが、今回の鈴鹿では予選で獲得出来るポイントも狙っていくのでしょうか?
藤井監督:計時予選(3人の各ライダーのベストタイム平均)で順位が決まるが、昨年はトップ10トライアル進出(計時予選上位10台)も意識せず、11位で良いと思ってやっていた。決勝レースで6位以内に入れば十分チャンピオンは獲得出来ると考え、ポイント差を考えチャンピオンを争うライバルチームとの差を常に気にしながらも、どこか落ち着いてレースをしていた。
今年は立場が逆転し、追う立場となっているのでテストからライダー達にプッシュしている。予選では可能な限り上位、出来ればトップ3以上に入り、1ポイントでも2ポイントでも多く獲得したい。もちろん決勝でも勝ちに行くつもりでプッシュし、ポイント差を逆転してやろうと考えている。

:EWC最終戦を迎えるにあたり、ここまでのシーズンを振り返るとどうだったんでしょうか?
藤井監督:今シーズンと昨シーズンを比べると、どちらも勝利が2回と3位が1回で、シーズン3回の表彰台を獲得している。昨シーズンはボルドール24時間での6位がワーストリザルトだったが、今シーズンはル・マン24時間で結果を残せなかったのが唯一大きな違いで、その結果がここまで大きく響いている。もし今シーズンのル・マン24時間で十分な成績を上げていれば2年連続チャンピオン獲得の可能性は高い状況になっていただろう。しかし今はそれを言っても仕方がないので、ここまでの結果を受け止めて鈴鹿8耐での逆転チャンピオン獲得に挑むつもりだ。

:それでは、今シーズンの鈴鹿への意気込みを聞かせて下さい。
藤井監督:我々は強力なライバルが居る中で2006年に初めて鈴鹿8耐に優勝する事が出来た。今年も強力なライバルチームがいるが、その中でも最大の目標を再び達成する為に勝ちにいきます!

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