みなさん、こんにちは! ブリヂストンの山田宏です。
ブリヂストンを装着して鈴鹿8耐に参戦するチームへのインタビュー。今回は『Kawasaki Team GREEN』の釈迦堂利郎監督と渡辺一馬選手にお話を聞きました。

【Kawasaki Team GREEN:釈迦堂利郎監督】

(山田) 鈴鹿8耐で2年連続2位となり、今年はジョナサン・レイ選手とレオン・ハスラム選手を招聘され、これまでで最高の体制に見えますが?

(釈迦堂監督)  2年連続の2位獲得で『Kawasaki Team GREENは優勝できる状態になった』と周囲のみなさんも捉えてくれています。チームのスタッフ達もそのように考えていますし、レイ選手が鈴鹿8耐参戦にOKを出してくれたということで、『優勝しかない!!』と思っています。4年連続優勝を目指すYAMAHA FACTORY RACING TEAMさんを始め強力なライバル勢がいる中で、レイ選手が加わったことによりハスラム選手も渡辺一馬選手もモチベーションが上がったようで、タイムも結構が上がってきています。メカニック他のチームスタッフにもレイ選手効果が出ていて、チーム全体のレベルが大分向上したと思います。レースウィークに向けてまだまだ詰めていかなくてはいけない部分はありますが、優勝を狙える位置に来たと感じています。

(山田) 対ライバルチームという面で、Kawasaki Team GREENはどのような取組をしてきましたか?

(釈迦堂監督)  ハードに関して、車という面では去年から大きな変更は加えていませんが、電装系であったり車両セットップの煮詰めであったりという部分で底上げをしてきました。ことタイヤに関して、昨年は17インチという選択肢もありましたが、"8耐の暑いコンディションでテストプログラムを消化できていない状況で17インチを選ぶのは冒険"という判断で16.5インチを選択しました。今年はレギュレーションで全チームが17インチしか使用できないことになりましたが、これまで開発テストを進めるにあたって、17インチを使用することでのマイナス面は全く出ていません。むしろカワサキのバイクには17インチの方が合っているという印象も持っています。8耐に向けた国内テストでブリヂストンの17インチに乗ったレイ選手やハスラム選手、それに彼らのチーフメカニックが、『ブリヂストンの17インチがロングライフ・グリップ・好タイムなどすべて面で優れている』とコメントしていました。好タイムを維持しつつ1スティントをきっちり走れる性能を持っているタイヤですので、レースの作戦を組み立てるうえでタイヤは大変役に立っています。

(山田) 今年のKawasaki Team GREENは例年以上に8耐に向けた開発テストを積極的に行ってきました。手応えはどうなのでしょうか?

(釈迦堂監督)  渡辺選手とハスラム選手は同じリアタイヤのスペックでいくことができそうで、またこれにレイ選手も合わせられると思っています。フロントのスペックも最終的には3人で1スペックにまとまりそうなところまで来ています。タイヤのライフは全く心配ありません。ここまできたら、あとは表彰台のてっぺんを狙うだけです。3人のライダーの力とチームスタッフの力を合わせて優勝したいです。

ビジュアル2

【KawasakiTeamGREEN:渡辺一馬選手】

(山田) 全日本ロードレース選手権ではRd3オートポリスで遂に優勝を達成されました。ブリヂストンタイヤの貢献はどうだったのでしょうか?

(渡辺選手) オートポリスの優勝は、"他チームと異なるタイヤ選択となった・決勝で雨が降らなかったという点"で運が良かったとも言えます。しかしあの状況で、スリックタイヤを選択したのはチームと選手なので、"実力での勝利"であると僕は考えています。自分たちに誇りと自信を感じています。濡れている部分が多く残るコースコンディションでもきちんと性能を発揮するタイヤを用意してくれたのはブリヂストンさんであり、その性能に信頼していたこそのスリックタイヤ選択でした。最終的な選択に際しては、まず『この状況ならウェットタイヤはもたないと思う』と僕が意見し、それを前提にチーム・ブリヂストン担当エンジニアさんと話し合って、全員のまとまった結論がスリックタイヤでした。

(山田) 鈴鹿8耐が近づいてきました。今年のチームメイトは優勝経験もあるレイ選手とハスラム選手ですが?

(渡辺選手) ハスラム選手は昨年も一緒にレースしましたのでコミュニケーションは問題ないです。WSBKを見に行った時や、オフに日本国内でテストした際、レイ選手とも話す機会がありました。日本にも8耐にも慣れた2人なので、何の心配もしていません。速いし実績と経験のある2人ですから、僕は謙虚に彼らの実力を認めて、全てを学びとりたいです。特にレイ選手は、現時点でカワサキのバイクを間違いなく世界一速く走らせているライダーなので、同じコースを走ったデータを比較したいです。

(山田) 去年の鈴鹿8耐は2位・全日本で初優勝。今年の鈴鹿8耐に向けた意気込みは?

(渡辺選手) 優勝を目指すしかないライダーのラインナップですし、これまでの結果から言って優勝を目指さない理由はないですね。自分に関して言うと、全日本の各サーキットで昨年よりタイムは出ていますし、鈴鹿8耐テストでのアヴェレージも昨年より確実に良いですので、いいレースができると思っています。ただ優勝候補として臨むとなると、プレッシャーもあるしライバルからマークもされる。そんな中で自分たちのペースを乱さずに仕事すれば、結果はついてくると思います。