みなさん、こんにちは!ブリヂストンの山田宏です。
今回は6/7-9に開催される、ドイツ・オシャスレーベン8時間レースの見所についてお話をしましょう。

その前に、先月5/10-12に行われた、スロバキア8時間レースを振り返ってみましょう。

1.スロバキア8時間レースを振り返って

スロバキア8時間耐久は、昨年が初開催のコースで、YART-YAMAHAが5時間過ぎまでトップを快走していたものの、マシントラブルが発生し、2度の予定外のピットインで4位、F.C.C.TSRも序盤はトップを走ったものの、マシントラブルで21位という結果となってしまいました。 今年は予選からブリヂストンサポートチームは好調!F.C.C.TSR Honda Franceが1位、YART-YAMAHAが2位でレースに臨みました。 レースレポートをもう一度ご覧下さい。
【レースレポート】2017-2018年 EWC第3戦 スロバキア8時間耐久レース

予選では我々のサポートする、前戦のルマン24時間で初優勝を果たした#5 F.C.C. TSR Honda France(以下#5 TSR)がポールポジション、#7 YART-YAMAHA(以下#7 YART)が僅差で2位のグリッドで絶好調!
レースでも序盤には#7 YART-#5 TSRの1-2体制となりますが、レース中盤のセーフティーカー導入で、#5 TSRには不運となり少し遅れてしまいました。 終盤にかけて、昨年のチャンピオン#94 GMT94 YAMAHA(Ya,DL)が#7 YARTに迫り、ピットインのタイミングではトップに立つなど、激しい争いとなりました。ゴールまで目が離せない展開となりましたが、結局#7 YARTが#94 GMT94に30秒の差を付けて優勝!
#7 YARTは昨年から我々がサポートしたのですが、初レースとなるルマン24時間で2位、2戦目のドイツでも2位と、いきなり速さを発揮したのですが、優勝には中々届きませんでした。今シーズンも開幕戦、第2戦共に、予選で2-1位、レースでも転倒するまではトップ争いをする抜群の速さを見せながら、ノーポイントに終わってしまったので、今回はチームにとって本当に嬉しい優勝だったと思います。
そして#5 TSRが3位に入り、我々にとって初のダブル表彰台獲得となりました!

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ダブル表彰台で、8個のブリヂストンキャップが並んだのは、鈴鹿以外の表彰台では初です!

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#7 YART-YAMAHAのピットワーク

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F.C.C. TSR Honda Franceも3位に入り、ランキングポイント1位を確保!

2. コースについて

オシャスレーベンという街は、ドイツ・ベルリンの西約250kmにあり、第3戦が開催されるオシャスレーベン・モーターパークは1997年にオープンしました。翌1998年にはオシャスレーベン24時間耐久レースが始まり、1999年からEWCのシリーズ戦に組み込まれ、今年で20周年を迎えます。(2008年から8時間耐久へ変更になりました。)
全長3.667km、右9、左7ヶ所のコーナーからなっている時計回りのコースで、ベストラップでの1周の平均速度は153.4km/hと、現在のEWCコースの中では最も低いコースです。ちなみに次がルマンで157.3km/h、スロバキアが171.7km/h、鈴鹿がほぼ同じで171.9km/h、開幕戦のポールリカールが177.8km/hです。
ストレートは約750mで、1コーナーの後、すぐに回り込んだコーナーと、その後も中低速コーナーが続きます。約560mのバックストレートの後は、やや速度の乗ったS字コーナーとなり、その後2つの右コーナーでストレートに戻ってきます。
高低差はほとんどなく、コース全体が見渡せるレイアウトになっています。昨年までの経験では、路面は特殊で、使い込まれた一般道の舗装のようで、引っかかりがなく、かなりグリップが低い路面です。
そのような路面でしっかりグリップして、1スティント約1時間グリップ力の低下が少ないタイヤが必要です。

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3. 予選、決勝の見所

今回のエントリーに関しては、我々がサポートする#7 YART は、B.パークス、M.フリッツ、藤田拓哉でのエントリーです。前回まで怪我や体調不良で出場出来なかった藤田選手は、今回は参戦出来るようになったようです。#5 TSRは、ルマンの優勝トリオ、F.フォレイ、A.テシェ、J.フックスです。

昨年のオシャスレーベンでのレースは、#94 GMT94が優勝、#7 YARTはトップ争いの末2位となりました。#5 TSRは序盤にトラブルが発生し、5位に終わっています。

今回のレースも、通常通りタイヤ本数規制が適用されます。8時間レースなので、予選決勝で鈴鹿8耐や前戦のスロバキアと同じ20本のタイヤが使用可能です。昨年の優勝チーム#94 GMT94は8回ピット、2位の#7 YARTは7回ピットでした。天候も安定していてレース中にセーフティーカーが出なければ、7回ピットの8スティントが有利となると思われます。タイヤの摩耗状況にもよりますが、フロント、リア共に毎回タイヤを替えると16本が必要で、残りは4本。予選ではこの4本だけを3人で使いながら予選2回をこなし、レースでは毎回新品タイヤでいくのか、予選で4本より多くのタイヤを使って、予選で2、3周アタックをしたそのタイヤを決勝レースに使うという戦略にするか、タイヤの使い方も重要になると思われます。
ただ昨年より3週間遅い開催(昨年は5/20開催)で、気温/路面温度も高くなると思われます。予選で使用したタイヤをレースに使う場合も、どのスペックをレースのどの辺りで使うのか、路面温度と適合したスペックを選ぶ必要があります。
またレースは13時スタート、21時ゴールと、昨年より1時間早くなっているので、この辺りも考慮が必要です。8時間のレースで勝つためにはハイペースが要求されます。パッシングポイントが少ないコースなので、バックマーカーの処理にも気を使い、ミスの無いライディングが重要になります。

今シーズン3戦が終了した時点でのランキングは下記のとおりです。

順位チームマシンポイントタイヤ
1 #5 F.C.C. TSR Honda Ho CBR1000RR 116 BS
2 #94 GMT94 YAMAHA Ya YZF-R1 115 DL
3 #111 Honda Endurance Racing Ho CBR1000RR 101 DL
4 #13 Wepol Racing by penz13.com BMW S1000RR 81 PI
5 #21 Mercury Racing BMW S1000RR 63 BS
11 #7 YART-YAMAHA Ya YZF-R1 30 BS

8時間耐久レースでは、1位:30点、2位:24点、3位21点、4位19点、5位17点、6位:15点で、以下1点ずつ少なくなり20位までにポイントが与えられます。
我々のサポートする#5 F.C.C. TSR Honda Franceは2位#94 GMT94と僅か1ポイント差!今回#5 TSRには何とか#94 GMT94の前でゴールして欲しいですね!

4.タイヤ

昨年このコースでレースをしているものの、開催が5月だったので、レース中の最高気温が19℃、路面温度は41℃とそれ程高く無かったので、今年はもう少し高くなるでしょう。
今回は、前回のスロバキアと基本的に同じタイヤを準備します。コンパウンドはハード側も多く持って行きます。また、8時間レースと前回より短いながら、ウェットも含め2チームのために合計約450本のタイヤを搬入します。
今週末の現在(6/4)の天気予報は、予選、決勝の行われる金曜土曜日は、降水確率40%、50%とシャワーの可能性が高くなっています!気温は最低気温が15℃から16℃、最高気温が26℃から28℃となっていますが、何とか天気予報が外れて良いコンディションでレースが出来る事を期待します。

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5. タイムスケジュール

今回も土曜日が決勝レースとなりますので、6/7木曜日の午前中に2時間のフリープラクティス、午後と6/8金曜日の午前中に20分間の予選が1回ずつあり、決勝は6/9土曜日13時にスタートして、21時にゴールです。日本との時差は7時間なので、日本時間では6/の明け方4時ゴールです。

今週のレースも、テレビ放送では見られないのですが、FIM EWC公式ホームページでライブタイミング(順位とラップタイムが分かります)は見られますのでチェックして下さい。
【FIM EWC公式ホームページ】http://www.fimewc.com/live-timing/

またブリヂストンモータースポーツのHPでは、現地から速報をお届けしますので、下記をご覧ください。
【速報】EWC/鈴鹿8時間耐久ロードレース

今週末も、ブリヂストンタイヤ装着チームの活躍に期待し、応援よろしくお願いします。