みなさん、こんにちは! ブリヂストンの山田宏です。
ブリヂストンを装着して鈴鹿8耐に参戦するチームへのインタビュー。今回は『YART-YAMAHA』のマンディ・カインツ監督とブロック・パークス選手にお話を聞きました。

【YART-YAMAHA:マンディ・カインツ監督】

(山田) 鈴鹿8耐はEWCで唯一の欧州外のレースです。欧州チームであるYARTにとっての鈴鹿8耐の位置付けは?

(カインツ監督) YARTにとって、間違いなく今シーズンで一番ワクワクするレースです。私たちの地元から遠く離れていますが、ヤマハさんにとってもブリヂストンさんにとってもホームレースですから、YARTの優れたパフォーマンスを見てもらいたいです。鈴鹿8耐では日本の各メーカーのファクトリーチームがベストなパーツとベストなライダーを擁して参加してきますから、欧州チームにとって良い結果を残すことは簡単ではなく、プレッシャーも感じます。ただ今年の8耐には、少しリラックスして臨んでいます。というのは残念なことに、今年はシリーズタイトルの可能性がなくなってしまったので、8耐でできるだけ良い結果を残すことに集中しているからです。表彰台を勝ち取れるよう努力しますし、それがYARTのターゲットです。

(山田) スロバキアリンク8時間で見事優勝し、ルマン24時間も十分勝てるレースだったと思いますが、いかがでしょうか?

(カインツ監督) 耐久レースというのは特別なもので、優勝するには速さと運が必要です。開幕戦ボルドール24時間でリタイアしてしまったことで残念ながらシリーズタイトルの可能性がほぼなくなってしまいましたが、それ以降は個々のレースで常に優勝を目指すスタンスとなりました。実際に、今シーズンすべてのレースで、YARTはレース中にリーダーになっています。5位や6位でポイントを目指すのではなく、優勝を目指すのですからリスクを冒すことが必要です。スロバキアの優勝も素晴らしかったですが、ルマンやオシャスレーベン8時間でも優勝できるペースがあったので結果を気にしていません。トップ走行中にクラッシュしたということは、トップを走る実力があり、且つ優勝に向けてリスクを取っていたということですから、運があれば次の優勝につながるはずです。

(山田) スロバキアでの優勝を含め、ブリヂストンタイヤのチームへの貢献度をどのようにとらえていますか?

(カインツ監督) スロバキアリンクは鈴鹿に特徴が似ているという印象です。高速コーナーや高μの路面が特徴でコース全長が長い。また今年はとても暑いコンディションだったことも鈴鹿8耐に近い状況でした。そのため、鈴鹿8耐で強いブリヂストンタイヤの性能がしっかりフィットしたと思います。YARTのライダーも良かったし、タイヤがパーフェクトでした。オーストリアに本拠地があるYARTにとってEWCのホームレースです。昨年も勝てた筈だったもののトラブルで勝てなかった。今年勝てて本当に良かったです。

(山田) 鈴鹿8耐に参加する日本のチームについて、どのような印象をもっていますか?

(カインツ監督) 日本のチームは大きなアドバンテージがあると思います。ホームレースで120%モチベーションで、この1戦に1年をかけてくる。当然日本のチームが優勝候補でしょう。しかしYARTには、は日本の選手権に参戦したこともあるブロック・パークス選手と、日本人ライダーの藤田拓哉選手がいます。優勝するのがもちろん夢ですが、運を味方につければ表彰台を狙えると考えています。

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【YART-YAMAHA:ブロック・パークス選手】

(山田) 鈴鹿8耐はEWCで唯一の欧州外のレースです。外国人ライダーは鈴鹿8耐をどのように見ていますか?

(パークス選手) 鈴鹿では、日本人トップライダー達が速い。特にWETコンディションでは自信をもって攻めているのでとても速いです。日本人ライダー達は、外国でレースする時よりも、国内でレースする時の方が力を発揮できていると感じますので、鈴鹿では強力なライバルです。

(山田) スロバキアではブリヂストンがサポート開始して初めてYARTが優勝しました。

(パークス選手) スロバキアの優勝で、とても安心しました。というのはその前までに、YARTが優勝まであと一歩ということが、僕自身が回数を覚えてないくらい何回もありましたから。毎回毎回些細なトラブルなのですが、何かが起こってしまって...。いつも何も起こらないようことを望んで、遂に達成した優勝だったので、チームのみんなにとって喜ばしいことだし、とても安心しました。

(山田) YARTへのブリヂストンのサポートをどう感じていますか?

(パークス選手) 僕の感覚では、ブリヂストンタイヤは間違いなく現状EWCで最も戦闘力が高いです。昨シーズンよりも性能が進化しているし、ブリヂストンさんのスタッフはハードに仕事をしていて、僕たちが必要とするタイヤを毎戦用意してくれています。とても良いサポートです。ルマン以降の3戦はブリヂストンタイヤを装着したYARTとTSRが全て優勝していますから、ブリヂストンタイヤがベストであることが証明されていると思います。特に鈴鹿8耐で良い成績を残すには、ブリヂストン装着が必須条件です。

(山田) ライダーの視点から、海外の有名なサーキットと比べて鈴鹿というサーキットは何か違いますか?

(パークス選手) 鈴鹿サーキットは全長が長く、そして鈴鹿には全て(『A little bit of everything』)があります。各セクターはそれぞれ異なる特徴を持っていて、ストップ&ゴーから高速コーナーまであります。上手く走れるようになるのは簡単ではありません。こういった点で欧州のサーキット比べてユニークで、僕のお気に入りのサーキットの1つです。

(山田) 今年の鈴鹿8耐の目標は?

(パークス選手) 毎年鈴鹿では表彰台を達成したいと思っています。しかし今年は、電装品等でファクトリーのフルサポートを受けたチームが増えましたから、例年以上に困難と言えます。トップ5に入ることができれば結果を残せたといえると思いますし、その状況で日本のトップチームに何かあれば表彰台も掴めるでしょう。