02-01.jpgモータースポーツもスポーツドライビングも、あくまでドライビングを楽しむ"エンジョイドライビング"の延長線上のことだとボクは思ってるんだ。クルマを運転する機会がある限り、"うまく"なりたいと思うだろうし、それを楽しんだほうがいいに決まっている。ドライビングをもっと楽しむためにもスポーツドライビングは役立つと思うんだ。で、何がスポーツドライビングなんだろう?ボクが思うスポーツドライビング体得の項目を挙げてみよう。

02-02.gif・基本姿勢
 ドライビングポジション (運転する姿勢)

・操作テクニック
 ステアリングワーク (ハンドルの握り方、回し方)
 ペダルワーク (アクセルやブレーキ、クラッチの踏み方)
 シフトワーク (ギアの選択、アップ・ダウン、ヒール&トウ)

・ブレーキング
 ブレーキング (ブレーキのかけ方、強弱のつけ方)

・コーナリング
 ライントレース (ラインの取り方)

・立ち上がり加速
 トラクション (アクセルの開け方)

・荷重移動
 姿勢変化 (クルマの曲げ方)

・運転環境
 集中力・体力 (精神状態、視野、筋力、持久力の必要性)


 これっていうのは、キミたちがいつもごく当たり前に自然にやってることなんだよね。もし無意識にやってるとしたら、これを意識的にすることでかなりのレベルアップが可能になるんだ。プロドライバーってのは、その様々な項目をよく体得し、必要な状況で必要な操作を精度が高く行える。つまり、限界・必要状況を判断し、適当な操作をより精度高く行うこと、それがスポーツドライビングなんだ。

 例えば、突然飛び出してきた障害物を避けるために、思いっきりブレーキを踏んだとしよう。タイヤがキャッ、キャッ、キャッ、と鳴いて、ABSが作動しながらスピンもせずにクルマはしっかり停止。こういっちゃ悪いけど、キミならまぐれだったかもしれない。でもスポーツドライビングをマスターしているプロは100回中、100回ほぼ同じように止まることができるんだ。しかもABSがなくたって、どんなクルマだってね。

 こんな危機回避テクニックの例の他にも、クルマの操作一つ一つの精度が上がれば、上手に流れるような運転ができる。"スポーツドライビング"を知れば、運転がより楽しくなるし、流れるような運転、"スマートドライビング"にもつながると思うんだ。