前回のブレーキング同様、スピードをギリギリのとこで、コントロールすることはアクセルも同じだね。
スピードを出すペダル、っていうのでなく、これもスピードをコントロールするところに重点を置いてほしい。
速く走りたいほどアクセルは開けたい。でも急にアクセルを開けたりすると、タイヤがスリップしてしまったり、思う通りのライン、速く走るためのコース(レコードライン)を外れてしまうことが多い。雪道で急にアクセルONしたってスリップしちゃうでしょ。コーナリング中にタイヤのグリップの限界を超えてアクセルON!しちゃうと、クルマは曲がれない状況(アンダーステア)や曲がりすぎてしまう状況(オーバーステア)になり、より状態は悪化しちゃうんだ。このアクセル操作ががタイムダウンやスピン、クラッシュを招くってことだってある。
アクセルってのは、エンジンの回転を調節し、その回転がタイヤの回転になる。踏んだ分だけエンジンもタイヤも回転する。でもいくらタイヤを回したってそれが路面に伝わらなかったり、伝わっても思う通りにクルマが進まなければ、速く走るどころか、コントロールすらできなくなってしまう。エンジンの回転とタイヤの回転はギアという選択肢のなかから選ぶことでつながるけど、タイヤの回転と路面の関係は一筋縄ではいかない。そのときのコンディションによって、ドライバーが微妙に調節してやらなければならない。この点はブレーキと同じだよね。
つまり自分の意志通り狙ったところを走るためには、アクセルも微妙なコントロールが必要。エンジンの回転=タイヤの回転が路面にロスなく伝わる限界ギリギリのところで操作するのがスポーツドライビングだ。
ストレートでは基本的にアクセルは100%踏みたい。逆に減速中はアクセルは弱めているか、踏んでいない状態だ。問題はコーナリング中。踏み出すタイミングと踏み方、「アクセル全開!」までのコントロールなんだ。コーナリング中、どこからどれだけ、どのようにアクセルを開けるか?これはコーナリング編で教えるとして、まずはアクセルの操作の仕方で注意してほしいことを教えちゃおう。
①ラフな操作は禁物!
アクセル操作がラフではタイヤと路面の関係をつかめない。また、急な挙動変化が起こりやすいので危険でもある。何が起こっても対処できるよう、常にスムーズ&丁寧な操作を身につけよう!
②コーナーで一度開けたアクセルは戻さない!
コーナーリングから出口に向けて"ウォン、ウォン"とアクセルをあおるひとをよく見かける。しかし、曲がらないと思ってからアクセルを抜くと、せっかくのコーナリングスピードが下がってしまう。「あとで抜くなら最初から踏むな!」ということ。コーナー出口でのアクセルワークはプラス(踏みこんでいく)方向のみだ。
ボクのおススメする速く走るためのコーナリングでのアクセルON!の原則は
一度50%程開き、できるだけ近い場所で100%開くのを目標にしながらも、ジッワーッと少しずつ開けていく!
だ。じっくりタイヤと路面の関係を感じ、自分のコントロールが効く限界を探りながら、少しずつ操作しよう。これってスポーツでも学問でも限界に挑戦する姿勢として当然なんだよね。
次はアクセルでのエンジン回転をどのように伝えるか、クラッチ操作にいってみよう!
山野哲也のEnjoy!
スポーツドライビング
第5回 回転をロスなく路面に伝えよう!
スピードを出すペダルじゃない!コントロールするんだ
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