11-1.jpgさて今回はS字コーナリング。右、左と続くコーナーをキレイにそして速く走れたときの快感は格別。「キマった!」って肌で感じることができるんだよね。

みんなアタマのなかで想像してみてくれ。S字コーナーってのはカーブ、つまりコーナリングの連続なんだよね。よって直線がほとんどない。もちろん、そのコーナーによってSの間に短い直線部分はあるだろう。しかしほとんどの時間をコーナリングしているわけだから、ブレーキングよりも、そして立ち上がり加速よりもコーナリング速度が大切なんだ。いかに高い速度をキープしたまま、連続したコーナーをクリアできるか、これがS字コーナリングのキーポイントだ。クルマは直進状態がイチバン速いよね。だから"高い速度"っていうのはなるべく直線的に走ることなんだ。つまり"コーナーとコーナーを直線的に結ぶラインで走る"ことだ。通常のアウト・イン・アウトというセオリーを忘れて、なるべく真っ直ぐに近いラインを探すのがベストと言える。図1を見てくれるとわかるハズ。蛇行するより、直進したほうが断然有利だよね。

とはいえ、実際にはS字コーナーにはいろいろなタイプのコーナーがある。R(アール)、つまり円の弧が大きく速度が高いコーナーからシケインのような低速なコーナーまで。もちろん、そのRは一定とは限らない。さらにバンク(路面の傾斜)角が変化することもあるから走り方は千差万別。ではタイプ別に走り方を紹介しよう。

1.時速120キロ(高速)のS字コーナー 例:TIサーキット第1コーナー~ウィリアムズコーナー
速度が比較的高く、しかもコーナーとコーナーとの間の距離が長めのタイプのS字カーブ。ということは"大きいコーナーのあとにもうひとつ大きいコーナー"という考え方をするとわかりやすいんだ。S字ではあるけど、それぞれのコーナーでしっかり「アウト・イン・アウト」をとりRの大きいラインをトレースするように走るとベストだ。

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11-3.jpg2.時速100キロ(中速)のS字コーナー 例:鈴鹿サーキットS字コーナー~逆バンクまで時速およそ100キロ前後でコーナーが連続する国内有数のS字コーナー。それぞれのカーブ間の距離は比較的短め。よってアウト・イン・アウトをとればとるほど、大げさなS字ラインになってしまい、距離が伸びる上に、次のコーナーがキツくなってしまう。結果「ミドル・イン・ミドル」的ラインが速度と距離のバランスされた走り方となる。路面の傾斜角が少ない"逆バンク"は慣性でアウト側にどんどんはらんででしまうから、イン側にいる時間を長くとる「クリッピングゾーン」(第10回 コーナリングを参照)的ラインを通れば速いぞ。

3.時速60キロ(低速)のS字コーナー 例:富士スピードウェイBコーナー速度が低く、次のコーナーまでの距離がとても短い"シケイン"的コーナー。アウト・イン・アウトのラインをとるまでもなく、すぐに次のコーナーが迫ってくる。もちろん、スピードが乗っていないから、加減速もより少ない。よって各コーナーの頂点を結ぶように直線的なラインをとるとスムースで速いコーナリングが可能となる。

どうだい?だいたい理解してくれたかな。S字コーナーの抜け方は直線的に駆け抜けるのが理想なんだけど、そのコーナーのRや深さ、そして傾斜角などで走り方はどんどん変わるんだ。基本的な考え方をマスターしたら、サーキットに行ってさまざまなラインに挑戦だ。「ひとつ目のコーナーがキマるとふたつ目が遅い...」、「S字最後のコーナーがキマるときは中盤が今ひとつ...」なんていう悩みを持ち始めたらもう80%は出来てる証拠だ。キミのクルマにバッチリ合ったラインどりを探してみてくれ。

さあ次回は複合コーナリング。さらにむずかしいハードルに挑戦だ。これをマスターすればほぼ完璧。ライバルを引き離すことができるぞ!

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