第20回 茂原ツインサーキット
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
比較的首都圏から近いサーキット。アクセスは、首都高湾岸線や京葉道などを乗り継いでいく。いくつも有料道を越えていくので最初は少し戸惑うけど、意外と近いことがわかる。
コースは1周1.2kmのミニサーキット。 鈴鹿の南コースや筑波のコース1000と並んで比較的走りやすいサーキットだ。設備も新しくそこそこ広いので、走行会を中心に関東エリアでは人気がある。
ホームストレートはけっこうな登り勾配。ほとんどのクルマが3速だけど、4速に入るクルマもある。1コーナーはフルブレーキングして進入。ここは比較的突っ込み重視のブレーキングになる。つまり速度を乗せたまま奥でブレーキングし、コーナーに入っていく。ブレーキを残しながらイン側の縁石にしっかりついてクリップを過ぎたらアクセルオン。ギヤは2速を使う。
2コーナーはこのコースの中でもっとも標高の高い部分。ここから10コーナーまでは下りが続く。ここでの進入のラインは、ミドルから入る感じになる。ヘアピンコーナーなので充分速度を落とし、イン側の縁石にしっかりつこう。ギヤは2速。アウト目一杯に立ち上がり、3速にシフトアップ。
3コーナーはブラインドになっており、結構難しいコーナー。下り勾配で形状が直角なため、速度が高くとってもエキサイティング!! 勇気が必要なコーナーだね。進入ではチョンとブレーキをすると同時にスパッとステアリングを切って、かつ縁石をナメる感じで走ろう。ここはレイアウト上アンダー/オーバーが出やすい。タイヤの横方向のグリップを目一杯引き出してやることがポイント。ギヤは2速。
4コーナーは、S字とはいえシケインっぽい形をしている。ひとつ目をしっかり速度を落として進入して、ふたつ目は全開で立ち上がれるように走ろう。縁石は目一杯乗る。ここでは行きすぎたりアンダーを出したりすると、その後のリズムがすべて狂ってつらくなる。速度コントロールと、ノーズをしっかりとインに向けてやることが重要だ。シフトは2速になる。
4コーナーを立ち上がったら、次は5コーナーが見えてくる。このコーナーはヘアピン形状で、セオリーどおりのアウト・イン・アウトで走る。ギヤは2速でしっかりトラクションをかけて立ち上がろう。
6~7コーナーは鈴鹿のS字に似てリズムが大事だ。ノーズをしっかりインに入れてやることがポイント。6コーナー手前はライトウェイトなら軽くブレーキング。車重の多いクルマやハイパワーマシンはガツンと踏むことになる。7コーナーは手前でアクセルオフし、アクセル全開で抜けるのが理想。素早く的確なペダル操作とステアリング操作が必要だ。ギヤは2速。
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8コーナーは9Rと、このコースで一番Rが小さい。しっかりとブレーキングして速度を落とし、アウト・イン・アウトでコーナリングしよう。シフトは2速。
9コーナーはひとつ目がブラインドっぽく縁石も高い。直前でしっかりブレーキングして、ふたつ目のアクセル全開ポイントをいかに手前にするかが重要だ。それによって次の最終コーナー進入のスピードも変わってくる。ひとつ目ではアンダーもオーバーも出さず、できる限りニュートラルで抜けることがポイント。ギヤは2速になる。
最終コーナーは前半が下りで後半が登りになっている。ひとつのコーナーで勾配がふたつ楽しめて、非常に面白い。ちょうどSUGOの最終コーナーをコンパクトにした感じだ。アウト側のグリーンゾーンのマージンは少ないけど、コース幅は結構広く安心感がある。2台並んで進入しても、それほど怖くない。ラインは、最初はインについてもつかなくても変わらない。進入速度を重視するならアウト・ミドル・イン・アウトがベストだ。その場合、ブレーキングを残しつつ、クリッピングポイントまで待つことになるので、オーバーステアに注意しよう。ここはできるだけ早くアクセルを全開にするのがコツ。ギヤは2速が基本だが、クルマによっては3速に入る場合もある。
このコースの路面は比較的安定しており、タイヤの消耗もない方。アップダウンがあるからちょっと勇気が必要かもしれないが、逆に言えば攻めがいのあるサーキットだ。コーナリングとブレーキングのバランスも悪くない。意外に見通しもよく、9コーナーから1コーナーにかけては道幅が広く、2~3台並んで走ることだってできる。オーバーテイクの醍醐味も味わえるミニサーキットだね。