第11回
鈴鹿サーキット・南コース<その1>
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
F1が行なわれることでも有名な鈴鹿サーキット。フオーミュラ・ニッポン、JGTC、S耐、8耐など国内のビッグレースはすべて行なわれ、他には鈴鹿1000kmやWGPも開催される格式の高いコースだね。名古屋から約1時間で行けるというアクセスのよさもあり、日本では富士と並んでもっとも観客が訪れるサーキットなんだ。遊園地やレストラン街、ボーリング場、温泉、ウェディングチャペルなどが併設されてて、単にサーキットというより総合レジャーランドともいえるんだ。
鈴鹿の本コースは世界一って呼べるぐらいエキサイティングなんだけど、もちろん手軽なミニコースもある。それがここ南コース。全長約1.2kmと短かめで、見通しもよく、安全マージンも広いんだ。ミニサーキットの中では走りやすいといえるね。ここではカートやジムカーナの全日本選手権や、カート世界選手権、さらにはドリコンまで開催されることで有名なんだ。
メインストレートは3速全開。そこからフルブレーキングして、90°曲がっている1コーナーに進入していく。同時に2速にシフトダウン。ここはちょっと登りながらのブレーキングだから比較的よく止まるけど、登り切ったところでフラットになるんだ。だからそこでテールが流れやすい。とくにウェットの時は前後ともグリップが抜け気味になるから、気持ち押さえ気味にいこう。
1コーナーに続いてすぐあとに、ヘアピン形状の2コーナーが待っている。1コーナーと2コーナーの間は距離が短いから、1コーナーの立ち上がり加速はあまり気にせず直線的につなぎ、早めに2コーナーのインにつくようにしよう。2コーナーの立ち上がりは、続くストレートに向けてのトラクションを重視して、アクセルを踏みたいのをぐっとがまん。ここは比較的アンダーが出やすいコーナーだから、立ち上がりアウト側の縁石は踏まないようにして、路面にしっかりトラクションがかかるようにすれば安心。ギヤは2速のまま。そのあとのストレートで3速にシフトアップ。クロスミッションを搭載しているクルマだったら、4速に入ることもある。
3-4コーナーは、このコースの中で一番難しい。ここはふた通りの走り方がある。まずひとつは、3コーナーのアウト側でフルブレーキングして2速(または3速)にシフトダウン。そしてすぐアクセルオンで4コーナーのアウト側を目指し、再びブレーキングして曲がっていく方法。もうひとつは、3コーナーの進入でブレーキングを遅れ気味にして、ハンドルを切り始めるぐらいにフルブレーキング&シフトダウンしてそれを持続させたまま4コーナーに進入していくパターン。ブレーキングを2回に分けて、その間にアクセルオンが入るのが前者、そしてブレーキングを1回にし、なおかつ後半にもっていくのが後者。これは鈴鹿本コースの第1コーナーを逆回りにして、それを縮小させた感じ。慣れないうちは、前者の方法で、うまくなってきたら後者に挑戦してみるのもいいかもね。ここでのポイントは、3―4コーナーのラインで、あまりアウトまではいかないこと。ふくらみ過ぎると、インにつけなくなってしまうからね。真ん中あたりにとどめておくのがいいだろう。
|
|
4コーナーは、ヘアピンに近い形。Uターンみたいで、奥がまわり込んでるコーナー。次のS字に向けて早くアクセルを踏みたくなるのはわかるけど、ガマンして待とう。つまりハーフアクセルの状態が長いってこと。基本的には2速を使うけど、1速が伸びるクルマだったらローギヤでもいい。