第15回 十勝インターナショナルスピードウェイ
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
十勝インターナショナルスピードウェイは、北海道の十勝平野のど真ん中にあるサーキット。北海道唯一のJAF公認レースが行なわれているコースだ。スーパー耐久シリーズの24時間耐久レースが行なわれるサーキットとしても有名。コースの起伏はほとんどなく、バンク角も少ないフラットなサーキットだ。
アクセスは、帯広空港からクルマで約20分。帯広市内からでも30~40分で行ける。本州からは距離的には遠いけど、羽田から帯広空港まではわずか90分だし、飛行機で行くなら意外と近く感じるかもしれないね。
メインストレートは、ほとんどのクルマが5速にシフトアップできるくらい長い。速度も200km/hぐらいまで到達可能だ。
1コーナーは3速までシフトダウン。CPを奥に取るような感じで進入していこう。この時コーナリングスピードをむやみに上げようとすると、立ち上がりのアウト側で脱輪する可能性が高いので、ていねいに行くのがポイント。これはカント角が少ないからだと思われる。立ち上がったあとは、4速にシフトアップして2コーナーへ。
2コーナーは、3速にシフトダウンしながら進入する。CPをしっかり取って、立ち上がりではていねいアクセルを開けていこう。
続く3コーナーは、3速ホールドのまま進入する。ここもていねいに走り抜けることが重要だ。立ち上がったあとは、4コーナーまでに4速にシフトアップ。1~3コーナーは、コーナリングスピードは違うけど、似たようなレイアウトのため、基本的には走り方は同じだ。
4コーナーは、ここまでで初めての左コーナーだ。手前で3速にシフトダウン。アウト目一杯からていねいに進入しよう。ここでインについた時に速度が高すぎると、立ち上がりでアウト側に脱輪する可能性が高いので、比較的CPを奥に取る。つまりコーナリングスピード重視というより、立ち上がり重視のコーナリングだね。立ち上がりながら一度アウトにラインを取るけど、ステアリングをニュートラルに戻すとまたすぐに舵角を与える。そしてその舵角のまま5コーナーに向かえるのがベストだね。
5コーナーは70Rで、十勝の中でも比較的ハイスピードのコーナー。なかなかエキサイティングなんだけど、うまくいけば4コーナーから5コーナーにかけて全開でいけるはずだ。とにかくできるだけアクセルを開けられるラインを選ぼう。CPは、イン側縁石の最後を目指すのがいいだろう。立ち上がったあとは4速にシフトアップ。
6コーナーは、目一杯左に寄ってから3速にシフトダウンして進入。ラインはきっちりアウト・イン・アウトで。
3速ホールドのまま7コーナーに進入。ここではアウト・イン・ミドルのラインを取るのがポイントだ。VTECのクルマなどは3速だと高速カムから外れるかもしれない。ただ2速だとアクセルオンでパワーがかかりすぎてトラクションを失うので、3速のままでもいいだろう。タイム的には問題ない範囲だ。
次は20Rの8コーナー。3速から2速にシフトダウンする。ここは4コーナー同様がまんのコーナー。コーナリングスピードを高くしようとすると立ち上がりでアウトにはらんでしまうので、CPを奥に取り、立ち上がり重視でていねいにトラクションをかけながら脱出していこう。
裏ストレートは3速、4速へとシフトアップ。次に控える9コーナーは、4速から一気に2速まで落とし、インは長めに取る。
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その後に続く100Rと30Rからなる複合コーナーは、コーナリングスピード重視か、それともブレーキングでタイムを詰めるかでラインが変わってくる。重いクルマの場合はトラクション重視で、軽いクルマはブレーキング重視でいくのがセオリー。前者の場合は30Rに対してアウトから入るラインを取り、後者の場合は100Rから30Rに対してまっすぐ進入するようなラインを取る。ここは2速だとトラクションが抜けてしまい、3速だともたついてしまうので、どちらにするか迷うところ。クルマによって変えていくのがベストだ。
30Rの右コーナーが連続したあとは、短いストレートが待っている。ここで4速にシフトアップしたあとは50Rの右コーナー。進入では3速にシフトダウン。ここは結構ハイスピードでクリアできるコーナーで、スピードを乗せて気持ちよさを満喫しよう。立ち上がったあとは4速にシフトアップ。
次の45Rは雰囲気的には手前の50Rによく似ているコーナー。進入で3速にシフトダウンして、脱出後は4速に。
次のシケインは3速でクリアする。1個目はアウト・イン・ミドルのラインを取る。立ち上がりのラインは、どちらかというとコースの中心よりやや左に寄った感じ。そこから次の右コーナーに向かおう。1個目の25Rの方のインをしっかり取り、2個目の50Rはなめらかに立ち上がる感じだ。この50RのCPはかなり奥に取り、続くストレートに向けてしっかりとトラクションをかけていく。ここのコーナリングで頑張りすぎると、アウト側の縁石を越えてしまうので、アクセルの開けすぎに注意しよう。
ここ十勝は比較的フラットなサーキットで、コースのバンク角が少ない。ハイスピードでのコーナリングというより、立ち上がり重視のがまんのコーナーが多い。トラクションのかかりを感じ取りながらアクセルを踏んでいくコーナーがたくさんある。タイヤの使い方としては、コースの前半(クラブマンコース)はタテ方向にグリップを引き出してあげることがメインで、コースの後半(ジュニアコース)の方が横Gをたくさん使うコーナーで構成されている。