第2回 日光サーキット <その1>
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
第2弾は日光サーキット。ミニサーキットのなかでは老舗中の老舗で、いつも参加者でにぎわっている人気のコース。場所は東北自動車道の宇都宮ICから10分くらいというアクセスのよさ! コースレイアウトは低中速コーナーがメインで、初心者がサーキット走行に慣れるのにはちょうどいいんじゃないかな。全長約1kmで、1周するのにだいたい40~50秒台で回れる。ちなみに45秒を切れたらかなりイケてることになる。さらに40秒を切ったらキミは激速の部類に入るぞ!
1~3コーナーは、どんどん左に巻き込んでいくので、とても難しいんだ。アウト目一杯から進入して、ブレーキングしつつクルマを1コーナーのCP目指してラインを取る。このときステアリングを切りながらのブレーキングになるので、ブレーキを強くかけすぎるとアンダーステアが起きて、どんどんCPから遠ざかってしまう。逆にオーバーステアでスピン状態に陥ることもあるから気をつけよう。はじめは強く、徐々にブレーキペダルの踏み具合を弱めていくんだ。ブレーキペダルを踏みながら、クルマがステアリングに反応して左に巻き込んでいくのを確認しながら踏力を加減しよう。うまくクルマが曲がってくれない場合は、踏力が強すぎるか弱すぎるかのどっちかだよ。弱めても曲がらないときは強く、強めても曲がらないときは弱く踏むのがコツだ。
クルマにもよるけど、ほとんどが1コーナーは3速で進入する。ブレーキングの直後に2速に落とすのがベスト。ここの縁石は高いので、激しく乗るとクルマの姿勢を大きく崩す場合があるから乗らない方がいいね。
1コーナーのCPをすぎたら一瞬コース中央あたりにラインを取り、再び2コーナーのCPを目指す。一番ふくらんだあたりからブレーキングを終え、ここからはアクセルペダルに足を置いて、今度はアクセルワークでクルマの向きをコントロールする。FFや4WDだとアンダーステアが出やすいからアクセルの踏みすぎに注意しよう。リヤ駆動の場合は、横Gがかかっててなおかつ前荷重だから、リヤタイヤがグリップを失いやすい。だから一気にアクセルを踏むとオーバーステアになるから、ジワッと踏むことが重要だ。
2コーナーのCPをすぎた後は、アクセルだけで3コーナーのCPにつく。このとき、その後に続く4コーナーに、いかにノーズを向けられるかがポイント。逆にいうと、ノーズを向けられなければアクセルはあまり踏まず、速度を維持するだけでもいいんだ。というのも、この後は6コーナー進入までずっとアクセル全開にできるから。ノーズがきちんと行きたい方向に向いてれば、早い段階からアクセル全開にできる。つまり、それだけクルマを前に進める時間が長くなるからね。3コーナーのCPも高いから、ここは乗らないようにしよう。
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4コーナーは、ずっと左コーナーが続いた直後の右コーナー。ほぼ全開で立ち上がろう。ここの縁石も高いので、乗せるとしても半分くらいにしておいた方がいいぞ。立ち上がりは左側がパドックになっていて、ギャラリーがたくさんいるからついつい熱くなる場所だけど、特別スピンするような所でもないので、思いっきりアクセルを踏もう。ただし、立ち上がった左側の縁石は超えないように。以外に大きな穴が空いていることが多く、足回りにダメージを受けることにもなりかねないぞ。
続く5コーナーはRがゆるいから、アクセル全開で抜けたいところだね。ちょっとだけ右にステアリングを切りつつ、6コーナー進入のアウト側を目指そう。ラインはコースのほぼまん中あたりを走るようになる。シフトは2速のままがほとんどだね。
6コーナーの進入では、横にGがかからないように直線的にブレーキングしたいので、なるべく早めにアウト側に寄っておく。ブレーキングは、CPまで残す感じにする。ここはビギナーでも比較的ブレーキングでリヤが出やすい所なので、進入時に向きを変える練習にもなるよ。CPの縁石は乗って跳ねないクルマなら積極的に乗ろう。でもイン側のタイヤがはじかれるクルマは乗せないように走ろう。4コーナーからここまでは、ずっとギャラリーの目の前で走ってるわけだけど、ブレーキングがヘタだとちょっとカッコ悪い。でも逆にいえば、キミが他のうまい人を間近で見られる場所でもあるんだ。だから走っていないときは、よ~く観察してどんな感じに向きを変えているのか参考にしよう。立ち上がりは自然にアウトにはらむ感じにして、セオリーどおりのアウト・イン・アウトで走る。なお、ここは低速区間が終わった直後のやや短かめの全開区間だから、スピード感がにぶり、スピードオーバーで飛び出しちゃう人が多いから、少し早めのブレーキングを心がけよう。
6コーナーの直後にゆるいRの7コーナーがあるけど、ここも5コーナーと同じようにCPにはつかずに、その先の8コーナーを目指して自然なラインを取る。つまりステアリングをできるだけ切らないように8コーナーを目指せばいいってことだ。ここでは6コーナーの立ち上がりでアクセルを踏みすぎてオーバーステアが出てしまい、それを押さえようとタコ踊り(右に左にとリヤが出ている状態)してる人が多い。押さえきれずに外側に突っ込んでる人もたまにいるけど、そこはくぼ地になっているから注意しよう。鉄則どおりアクセルはジワッと踏み、トラクションをかけてあげるのがベストだ。