10Rの進入は、そんなにアウトから入る必要はない。だいたいコースの2/3ぐらいの位置からで充分だ。なぜなら、アウトから入ると4コーナーからこの10Rにかけて、大きくS字を書くようになるから。そうすると、当然距離が長くなるからね。コース2/3くらいから左にステアリングを切ったら、すかさずインにつこう。ここはイン側が見づらいけど、頑張って左フロントを縁石に引っかける感じにして走るといい。シフトは2速が基本だけど、クルマによっては1速の場合もある。立ち上がりのアウト側の縁石は結構高いので、乗ると挙動が乱れるから乗らない方がいいね。
次の39Rと24Rは、難しくってとってもリスキー! 24Rはなるべく全開でいきたいところだけど、たぶんムリ。全開でいけるのはごくごくまれなんだ。ここはブラインドになっている上、かなりの下り勾配。24Rを抜けた時にグリップを失うと、アウト側のグラベルの餌食になってしまうどころか、ガードレールまで到達してしまう可能性も... 24Rを抜けて「アッ!」って思った時にはもう手遅れになることもあるぞ。
10Rから39Rには全開で進入するんだけど、その直後、24Rの手前でチョン、とブレーキを踏む。つまりチョンブレだね。アクセルオフのだけの時は、もっと手前からアクセルを抜こう。そして立ち上がりではなるべくイン寄りに立ち上がって、クルマの向きがしっかり変わって、加速体勢にきちんと入ってからアクセルオンにした方がいいだろう。
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最終コーナーは、下りながらのフルブレーキングで、視覚的には目の前にガードレールが迫ってきて結構怖い感じ。だけど意外と止まってくれる。ひょっとしたら目の前に迫るガードレールの恐怖感が、うまく制動させてくれてるのかもね。ちょうどツインリンクもてぎロードコースのダウンヒルコーナーと同じようにね。
ここのコーナリングは、インを長めに取る。立ち上がりのトラクションが最終的にストレートの伸びにつながるので、なるべくていねいにアクセルを踏んでいこう。ラインは4、1コーナーと同じようにイン・イン・ミドルという感じ。というのも、アウトまでふくらんで一度アンダーを出すとアクセル全開にできないからね。それよりはミドルで立ち上がってアクセル全開にした方がクルマのパワーをトラクション方向につなげてあげられる。シフトは、基本的には2速で、クルマによっては1速も使うよ。
レイアウト的にはタイヤのタテ方向とヨコ方向の性能を、はっきり分ける形のコーナーが多い。タテ方向を使うのが、2、4、10R、そして最終コーナー。ヨコ方向は、1、3、そして24Rって感じかな。ここのコースのレイアウトは、ラリーのSSのような感じで、ドライビングテクニックの差は出やすい。ここで速い人は、他のコースで走ってもそこそこ速いと思うよ。道幅が狭く、その中でクルマを自在にコントロールできるわけだからね。もちろんタイムが遅いからといって、楽しめないわけではない。まるで自分がWRCのドライバーになって、舗装のSSを全開でカッ飛んでいくような感覚を味わえるのだ。運転しながら、自分で自分を「カッコイイ!!」って思えるほど。このコースは、ブレーキ、シフト、ステアリングなどそれぞれの操作が忙しいので、タイムに関係なく「運転してる!!」っていう感じがする。そういう意味では、速さとは無関係で楽しめる貴重なサーキットなんだ。 あと蛇足だけど、タワーとコンクリートウォールの間が結構狭いので、ピットロードからコースに入る時に車幅に気をつけよう。大事なクルマのフェンダーをガリガリこすらないようにね。それとコースインする場所がちょうど1コーナーのアウト側に位置してて、後ろから全開でやって来るクルマのラインと重なってしまう。だから交錯しないように、よ~く見て慎重に入るようにしよう。
近くには別荘も立ち並ぶ気持ちのいいスポーツランドやまなし。ラリードライバーの気分にひたりながら、ドライビングテクニックをしっかり向上させよう!