第3回 ツインリンクもてぎ

山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)

 ツインリンクもてぎは、日本でもっとも新しい設備を誇るサーキット。トイレも
まるでデパートやホテル並みにピカピカなんだ。東京から約2時間でつけてアクセス
もいいし、敷地も広く、そのなかに大小さまざまなサーキットがたくさんあって、
国内のいろんなコースのなかでも群を抜いて素晴らしいんだ。
 普通、サーキットは速く走れば走るほど危険になるけど、ここはランオフエリア
がすご~く広くて、ガードレールもはるかかなた。だからめちゃくちゃ安全なんだ
。それだけクルマを壊したりケガをしたりする可能性が低くなるってことだね。さ
すが最新のFIAのレギュレーションを通ってだけのことはある。

 まず1コーナーは、ここだけで考えてはいけないよ。その直後の2コーナーとの複合コーナーとして考えるんだ。そうすればひとつのRでいける。一番重要なのは、2コーナーのCPをしっかりとること。1コーナーのアプローチを失敗すると、2コーナーのCPもつけなくなるから、意外にこれが難しいんだ。考え方としては、1コーナーと2コーナーでそれぞれ2つCPがある複合コーナーとして考えよう。1コーナーでCPを取ったあとは、アクセルを20~30%に押さえてがまんするのがポイント。2コーナーのCPに達してからアクセル全開だ。
(A:1~2コーナー図)

 3コーナーは、ちょっとブラインドになってて先が見えないけど、ここも3~4コーナーと連続したひとつのコーナーとして考えよう。ここでも考え方は一緒で、4コーナーの後で速度をいかに乗せるか、どこまで全開にできてるかが重要だよ。ありがちなのは、3~4コーナーの間で無理しすぎてアウトに落ちる、もしくは落ちそうになってアクセルを戻しちゃうこと。これは失敗だね。3コーナーでは速度を落としすぎてもいいから、いかに次のコーナーで速度を上げられるかに的を絞ろう。4コーナーではイン側の縁石を少し長めにナメる感じ。クリッピングポイントではなく、クリッピングゾーンとして考えるってことだね。筑波編でも出てきたし、「第10回 コーナリング」でも解説してあるからあとで参考にしてね。ちなみにここでインに早くつきすぎると、立ち上がりでアウト側にオーバーランしちゃうから注意しよう。
(B:3~4コーナー図)

次の5コーナーは、頭の切り替えが必要。というのも、ぱっと見直角コーナーに見えるんだけど、実際はもっとRがきつく、どちらかというとヘアピンに近いくらいなんだ。だから視覚的にだまされないよう頭を切り替えようってわけ。アウト目一杯から進入してCPもゾーンとして捉えて長めに取り、立ち上がりは舵角を少なくしてやりながら徐々にトラクションをかけていこう。

 お次は鈴鹿にもある130Rコーナー。鈴鹿では長いストレートエンドに位置してるのでブレーキングが必要だったりするけど、ここは加速しながらのコーナーなんで、強烈なハイパワー車でない限りほぼ全開。アウト側のマージンも広くて安全だから、安心して楽しもう。ただし、ウェットの時は要注意で、ここを立ち上がった後のブレーキングポイントに川ができてる場合があって、次のS字で曲がれないこともあるよ。その場合は川に乗ってしまう前にアクセルオフで減速をはじめておこう。
(C:5コーナー&130Rコーナー)


 

 S字はアウト目一杯から進入して、イン側の縁石をしっかりナメよう。ここもクリッピングゾーンだね。それもずっと乗ってる感じだ。ここでインを逃すとそのままどんどんアウト側へいってなかなか戻って来れなくなってしまうので注意しよう。
S字2個めのコーナーへは、インを目指して直線的にズバッといこう。ここは速度をいかに乗せるかではなく、距離をいかに短くとるかでタイムを稼ぐ区間なんだ。2個めのコーナーもインを長めに取るんだけど、縁石は乗せすぎに注意。というのも、縁石の形がギョーザの皮みたいに波打ってて、バタバタと振動が伝わり、その影響でキャリパーが開いちゃうことがあるんだ。そうなると次のV字コーナー手前のブレーキングでペダルがズボッと奥に入っちゃうからとっても危険なんだ。
(D:S字図)

 V字コーナーは、5コーナーの左バージョンって感じ。まずは早めのブレーキングがポイントだね。あんまり奥までいくとタイヤがロックしやすいし、しかも一度インを逃したらなかなか戻って来れないんだ。しかも他のコーナーと比べてほんのちょっと逆バンク気味になってるんだ。そのへんのところにだまされないようにね。イン側にいる時間はここも長めに取って、なるべく舵角を残さないようにして立ち上がろう。
 ヘアピンは登り勾配だけあって意外とよく止まるね。フルブレーキングしてステアリングを右に切ったら、ここもインを長く取ろう。次のダウンヒルストレートで速度を稼ぐためにアンダーステア、オーバーステアを出さないように気をつけて立ち上がる。コーナリングというよりは、ちょっとじれったいけどゼロ発進のような感じだよ。
(E:V字~ヘアピン)

 次のダウンヒルストレートは、最初はフラットで、途中から下りになる珍しいストレートなんだ。もてぎの中ではもっとも速度の乗る区間で、次の90°コーナーはオーバーテイクポイントでもあるね。でもブレーキングでミスするとちょっと痛いかも。そのへんをみんなわかってるのか、意外とコースアウトが少ないんだけどね。注意することは路面が左側に若干傾いていること。だからフルブレーキングの時に左リヤタイヤのグリップが少なくてロックしやすいんだ。ステアしてコーナーに
アプローチしようと思った瞬間にスピン、あるいはフルカウンター状態になりやすい。だから常にタイヤのロックに気を配りながらステアしよう。立ち上がりのアクセルオンが早すぎると、コーナーが下っていることもあって、左側にオーバーランする可能性が高い。角度は90°なんだけど、一気にアクセルオンではなく、じわっとトラクションをかけて立ち上がることが大事だよ。
(F:ダウンヒルストレート~90°コーナー)

 いよいよ最終コーナーになるんだけど、ここは左、左ときて最後に右のビクトリーコーナーという形状。2個めの左コーナーは、実はここがもてぎの中でもっとも難しい区間なんだ。というのも、道幅が広くてどこ走っていいかわからないし、しかもどう走ってもブレーキングの時に横Gがかかったままなんだ。そしてアクセルを踏む間もなくすぐビクトリーコーナーが控えてる。ポイントはその2個めの左コーナーのインを確実に取り、ビクトリーコーナーは縁石の終わり、つまり奥めにCPを取るラインを描くこと。あんまり無理すると、ストレートに出てから左側の縁石を飛び越えちゃうから慎重にいこう。立ち上がりは、他のコーナーと同様にトラクションをしっかりかけることが重要だよ。
(G:最終コーナー)

 ここツインリンクもてぎは、ストップ&ゴーのコースレイアウトだけあって、フル減速、フル加速の繰り返しに近く、そういう意味ではタイヤのタテ方向のグリップをもっとも使うコースっていえるんじゃないかな。だからブレーキングとトラクションのかけ方がうまい人ほどタイムは出るし、フル加減速に秀でているクルマほど生かされるサーキットだよ。全体的に、ブレーキングの後にアクセルペダルに足を乗せたらちょっと待つ感じ。そして立ち上がりのラインが見えたところでじわ~っ
と踏んでいく。バンッと踏みたいけど、そうするとトラクションが抜けるからね。
がまんが肝心のサーキットなんだよ。

03/12/22 第21回 鈴鹿サーキット
03/10/31 第20回 茂原ツインサーキット
03/09/26 第19回 瑞浪モーターランド
03/09/01 第18回 TIサーキット英田
03/06/23 第17回 仙台ハイランド
03/05/13 第16回 スポーツランドSUGO
03/03/17 第15回 十勝インターナショナルスピードウェイ
03/02/24 第14回 エビス東サーキット
02/12/24 第13回 YZサーキット
02/11/01 第12回 オートポリス
02/09/27 第11回 鈴鹿サーキット・南コース<その2>
02/09/27 第11回 鈴鹿サーキット・南コース<その1>
02/08/20 第10回 セントラルサーキット<その2>
02/08/20 第10回 セントラルサーキット<その1>
02/07/15 第9回 那須モータースポーツランド
02/06/12 第8回 エビス西サーキット
02/05/15 第7回 筑波サーキット「コース1000」 <その2>
02/05/15 第7回 筑波サーキット「コース1000」 <その1>
02/04/15 第6回 富士スピードウェイ <その2>
02/04/15 第6回 富士スピードウェイ <その1>
02/03/26 第5回 中山サーキット <その2>
02/03/26 第5回 中山サーキット <その1>
02/02/25 第4回 スポーツランド山梨 <その2>
02/02/25 第4回 スポーツランド山梨 <その1>
02/01/28 第3回 ツインリンクもてぎ
01/12/14 第2回 日光サーキット <その2>
01/12/14 第2回 日光サーキット <その1>
01/11/14 第1回 筑波サーキット <その2>
01/11/15 第1回 筑波サーキット <その1>