第19回 瑞浪モーターランド
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
中央自動車道の瑞浪I.C.からおよそ20分の位置にあるのが瑞浪モーターランド。岐阜県にあるけれど、名古屋から約1時間で着くこともあって、比較的都心からのアクセスもいい。山の中にあるが、コースレイアウトは大排気量車より小排気量車に人気がある。YZサーキット瑞浪が目と鼻の先にあり、コース幅や路面も、レイアウトこそ違うがYZによく似ている。レイアウトがシンプルな分、タイムを詰めるのに苦労するかもしれない。
ホームストレートは3速全開がほとんどだが、クルマによっては4速に入る場合もある。1コーナーはヘアピン形状。入口はやや左に曲がっているが、無視してまっすぐ進入しよう。というのも、ここで左にクルマを寄せると、横Gがかかった状態でブレーキングすることになり、スピンしたりおつりをもらったりするようになるからだ。まっすぐ入り、インになるべく早くつくのが正しい。だから1コーナー全体のラインは、イン・イン・アウトになる。インにつく時間は長めで、CPはポイントではなくゾーンとして捉え、縁石は長く乗る感じになる。ギヤは2速で回る。立ち上がりで3速にシフトアップ。
続くS字は、ここもコースの形状は無視してなるべく直線的に走る。コースに合わせて「S」の字を描くと遠回りになり遅くなる。それよりも最短距離を通った方が得策だ。ここは路面のギャップが多く、挙動を乱したりステアリングを取られたりと、なにかとハプニングの多い区間。正しいドライビングポジョンと、しっかりとしたステアリングワークが問われるぞ。
次はブラインドになっている左コーナー。ここでの進入は一瞬のブレーキングの後、2速にシフトダウン(クロスミツッション搭載のクルマだったら3速もあり)。と同時に左にステア。イン側の縁石は長く乗る感じでクリアしていこう。クルマによってはノーブレーキでいけるけど、ほとんどは一瞬のブレーキングが必要だ。そしてCPあたりから一瞬全開にする。
続く右コーナーは、手前でハード目にブレーキング。視覚的には目の前にガードレールが迫ってくるので、恐怖感のあるコーナー。ブレーキングは「ガンッ!」と踏んで、「パッ!」と離す感じ。制動時間は短くし、さらに曲げるきっかけが必要になってくる。ステアリングはスパッと切る感じだ。ここで速度を上げすぎるとアウト側のガードレールが迫ってきて、その後アクセルが踏めなくなってしまう。手前でしっかりとブレーキングするように。そしてアウト側にあまりはらまない方が安全だろう。ギヤは2速になる。
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一瞬の直線の後、ブレーキングしておむすび型の右コーナーに進入。ここは立ち上がりのトラクションが抜けやすいので、ていねいなアクセルワークが必要だ。ウェットの時はもちろん、冬場だとドライでも氷が張ってたりするので、走り始めは路面の状況がわかるまで注意しながら走ろう。2速でここを立ち上がったらアウト目一杯までふくらむ。
2速ホールドのまま、もしくは3速で最終コーナーに進入する。基本的にはブレーキングはしないでアクセルオフだけで入っていく。クルマが曲がらない場合はブレーキングした方がいい。ここは道幅も広く、精神的には比較的余裕があるけれども、それでも恐怖感がある時などもブレーキングした方がいいだろう。その先がストレートなので、インにつけなかったりアウトにふくらみすぎたりすると、タイム的には不利になる。なるべくストレートに向かってまっすぐ立ち上がれるようなラインを選ぼう。
このコースの舗装は、ドライ時はそこそこのグリップを発揮する。ただし路面のギャップがあるので、クルマやタイヤにはいつもと違う負担がかかる。サスペンションも柔らかめがいいと思う。エア圧も低め(いつもよりコンマ2kg/・くらい下げる)の方が、全体的なグリップを向上させることができるだろう。