ほとんどのクルマが全開で抜けるのが300R。Rがゆるい上に勾配が下っているのでとてもスピードが乗るんだ。速いクルマだと5速に入ってしまうぞ。ここで特に注意しなければならないのがウェットの時。富士の名物ともいえる「川」ができやすい。それも川の深さ、広さ、場所は雨の量によって変わるんだ。速度が乗ってるからいったんグリップを失うと、復帰するのに時間がかかる。そしてそのまま外側のガードレールへ、なんてことも??。ポイントは、ウェットの時は川のない所を走ること。レースでは、アウト・アウト・アウトのラインをとったりするドライバーもいる。それではあまりにもマージンが少ないので、熟練度の高い人しかやらない方がいいよ。基本的にはイン側をキープするのがベストだね。
Bコーナーといわれることが多い、ダンロップコーナー。速度はかなり落とす。ブレーキングポイントはクルマによってだいぶ違うけど、慣れるまではなるべく早めに減速し始めよう。とくにここでのブレーキングは、挙動が乱れがち。というのも、その手前の300RのGが残ったままだからだ。特に浮き気味の右側のタイヤがロックしやすい。そういう意味で、ストレートからのブレーキングとは違い、制動距離も長くなるんだ。だからなるべく早めにブレーキングを開始しよう。そして、余裕をもってコースの真ん中あたりでブレーキングを終わらせるようにしよう。
右に曲がった後、すぐ左に曲がるんだけど、ここの立ち上がりはとっても重要なんだ。ここのクリアの仕方で、2km先のストレートエンドの速度に関係してくるからね。必ずそれを頭に入れながら走ろう。コツとしては、最初の右に曲がるコーナーは広い縁石をショートカットするような感じに直線的に走る。浅く走るっていう感じかな。その後の左コーナーの立ち上がりでは、アンダーやオーバーを出すと右側の縁石に乗り上げてタイムロスしてしまう。だから少なくともタイヤ2本分余裕をもって立ち上がろう。舵角を与えず、スムーズにGを逃がす(ステアリングを戻す)感じで最終コーナーへ向かおう。
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最終コーナーは、ストレートスピードに影響するので、なるべく全開でいきたいね。でも4速で抜けるコーナーだから、いざクラッシュとなるととてもダメージが大きい。だから慎重に、タイヤのグリップを感じながら走ろう。基本はアウト・イン・アウトだけど、立ち上がりでアウトにはらみ過ぎないようにしよう。出口の外側の縁石は挙動が乱れるし、失速するから乗らない方がいい。立ち上がった後のストレートでは、速度が乗るように、タイムロスのないようにシフトアップしよう。
平均速度が高く、スリップ合戦の醍醐味も味わえてとっても気持ちのいい富士スピードウェイ。ただし雨の場合はリスクが高いこともあり、気持ち良さがまったく逆方向に向かうこともあるので注意しよう。ウェットの時に気をつけることを除けば、富士山を眺めながらハイスピードコースの楽しさを満喫できるサーキットだよ。
なお、ここは2003年の秋から本格的に改修工事に入って、今のコースレイアウトが変わってしまうんだ。だからそれまでに超ハイスピードの富士を走っておくことを勧めるよ!