第7回 筑波サーキット「コース1000」 <その1>
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
筑波サーキット「コース1000」は、以前は「東コース」という名称で、カートがメインだったコース。2001年にレイアウトを含み、路面や施設が大幅に改修され、四輪も気持ちよく走れるようになった。いまでは走行会がさかんに行なわれているんだ。都心からも近くて、関東地区の人にとっては親しみの多いサーキット。ちなみに第1回で紹介した筑波サーキットの本コースは、「コース2000」っていわれてる。
ここは簡略化されたパドックながら全周に渡って見渡せて、解放感がある。土手も高いから走行しているクルマを見るのも楽しい。もちろん、全長が約1kmと短い割にはコース幅も広く、ブラインドもないから走りやすい。レイアウトも安全なつくりだから、ドラテクをみがくにはもってこいのコース。自販機コーナーもあるし、トイレもしっかりしてるから、走るのはもちろん、見学する側もちょっとしたキャンプ気分で行けるサーキットだね。
ストレートはほとんどのクルマが3速全開。ランサーやインプレッサだと確実に4速に入るね。インテグラ、シビックタイプRだと、最終コーナーをうまく立ち上がれば4速に入る。短いサーキットながら、ストレートでは150km/hくらいに到達するクルマもあるんだ。
1コーナーは、思いきりアウトからインに向かってステアリングを切り込むんだけど、インにつきすぎてアクセルオンを早くし過ぎてしまうと2コーナーのCPを逃してしまうことがあるんだ。つまり1コーナーと2コーナーを分けて考えるのではなくて、Rの違う2つのコーナーが一緒になった複合コーナーとして考えるべきなんだ。2コーナーでインについて、しっかりアクセルを踏めるラインを選ぶことが重要だね。具体的には、1コーナーはアウト・イン・ミドルで走り立ち上がりのアクセルオンは控えめにする。2コーナーは、ミドル・イン・アウトというライン。2コーナーでしっかりとCPにつくことができたらジワーッとアクセルを全開にしていこう。ギヤは基本的には2速だけど、ランサーやインプレッサだと3速。インテグラ、シビッククラスはどちらか迷うね。速度が乗ってるなら3速だけど、失速するなら2速を選ぼう。
とにかく、1コーナーのポイントは、"アクセルオンを待つ"コーナー。アクセル踏みたい気持ちを抑えて、じっと我慢する感じだね。その分、2コーナーでしっかりインについて、気持ちよくアクセルを踏んで立ち上がり、3コーナーのアウトを目指そう。
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3コーナーの進入は、意外とブレーキが効きにくいので、しっかりと速度を落としていくことが重要。ギヤは2速に落とそう。ここではしっかりインにつくことを忘れないように。さらにコーナーが回り込んでいるヘアピンだから、クリッピングはポイントより"ゾーン"で捉えよう。油断するとフロントからアウトに逃げてしまい、舵角も増えてアクセルオンも遅くなるから要注意だ。ラインは、コーナー出口でアウトにはらまない、"アウト・イン・ミドル"を選んだ方が、次の左コーナーに対してのアプローチがスムーズにいくぞ。
3コーナーを2速で立ち上がった後、シフトはそのままで4コーナーへ。2速でレブリミッターがかかるクルマは一瞬3速にシフトアップしよう。ここはひとつのRに見えるけど、実は2つのRで構成されていて、奥の方がきつくなってるんだ。ちょうど直角コーナーみたいに回り込んでいる。だからここも攻めるというより、待つコーナー。2つ目のRを目指して、ブレーキングを残したまま待つ感じかな。充分速度を落として、2個目に合わせる感じ。1~2コーナーの"逆向き&縮小版"といったイメージ。2つ目のインの縁石にしっかりクルマのノーズを近づけて立ち上がろう。↓<その2>へ続く