第4回 スポーツランド山梨 <その1>
山野哲也 (ジムカーナ&レーシングドライバー)
スポーツランドやまなしは、東京から中央自動車道で2時間くらいの韮崎I.C.からほど近い所にある。すぐ近くには昇仙峡という景色がバツグンのワインディングがあるから、走った後はぜひ寄ってみてほしいね。ドライブコースとしても最適だよ。
スポーツランドやまなしのコースレイアウトは、まさに峠道で、山あいを駆け抜けて行くようなイメージ。ミニサーキットには珍しくアップダウンがあり、まさにラリーのSSのようなんだ。コースとしては広くはないけど、まるで森林浴してるような清々しい気持ちでサーキット走行できる。
ほんのちょっと登り勾配のメインストレートを3速全開できたら、1コーナー手前で2速にシフトダウンと同時に左にステア。ここではできる限りコーナリングスピードを高めることを意識しよう。そのためにはインを思いきりナメるのがポイントだ。そうしないと、曲がり切れなくなって1コーナー出口で「おっとっとっ」ってなっちゃう。立ち上がりのラインは、2コーナー進入のアウト側ではなく、インを目がけて一直線に。つまりコースを斜めに横切る感じだね。
1コーナーのCPは「ポイント」だけど、2コーナーは「ゾーン」として考えよう。つまりイン側にいる時間を長めに取るってこと。コーナリングのイメージとしては、じっとアクセルを踏むのをガマンして、ひたすらクルマが真直ぐになるのを待つ感じかな。エンジン回転がパワーバンドに乗らないようだったら、クルマによっては1速もアリだ。1速で立ち上がってしばらくたった所が、ここのコースの中では一番高度の高い位置になるんだけど、そのあたりで2速にシフトアップ。
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3コーナーは、とってもエキサイティング! ジェットコースターのように胸がすくって感じで、このコースの中では一番の攻め所だ。できる限り全開でいって、下りつつ曲がっていく感じなんだけど、ウェットの時は要注意。下り勾配だから、フロントにちょうどいい感じに荷重が乗って、リヤタイヤが流れやすい。その先のキンクコーナーも水たまりができやすく、しかもそれがちょうどブレーキングの位置にできることが多い。だからウェットの時は水たまりの手前からブレーキングして対処しよう。
さて、次の4コーナーはちょっとだけ難しい。というのも、右コーナーなんだけど、その少し手前が若干左に曲がった形状なんだ。つまり左にやや曲がりつつ、その先が右ヘアピンってわけ。そうなると、ブレーキング中のクルマの挙動が不安定になる可能性が高い。特にクルマが左向き(反時計方向)になってしまう場合が多い。だからここは特にリヤタイヤのグリップに注意しながらブレーキングすることが大切だよ。そしていつでもカウンターを当てられるように準備する必要がある。そうやって神経を集中させつつ、2速にシフトダウンしなくてはならない。結構大変でしょ?
コーナリングのポイントは、2コーナー同様クリッピングポイントではなくクリッピングゾーンとなる。ずーっとインについてる感じで、時間もすごく長め。というのも、このコーナーの形状がスプーンのような形で、角度にして180度以上、200度くらいぐるっと回り込んでいるからね。定常円旋回の原理と一緒で、インにいた方がアウト側より半径が近いぶん時間は短いでしょ? あとここは多少バンクがついているので、ブレーキを残し過ぎると右フロントがロックするので要注意。立ち上がりはあまりアウトにはらむと次の10Rがきつくなるので、イン・イン・ミドルのようなラインを取ろう。